研究課題
基盤研究(C)
筋膜も切除された深い創の場合、スキャフォールド留置群(GS+)では創作成15日目では対照群(GS-)より上皮化した面積が有意に小さかったものの、創作成30日後ではGS-群より有意に上皮化していた。組織学解析にて、GS+群では血管新生が多数見られた他、毛包の再生も見られたのに対し、GS-群では厚いコラーゲン線維の形成が見られた。また15日までの治癒過程ではGS+群ではほぼlocalな細胞集団ではなく、スキャフォールドに遊走した骨髄細胞が主となり組織再生を担うことが明らかになった。
形成外科学
多くの全身熱傷の場合、分層植皮が利用されるが、治癒しても皮膚が薄いため拘縮をきたし、さらに皮膚付属器は再生されない。この問題を解決するため、本研究では創に組織再生をもたらすスキャフォールドの開発を目指し、動物モデルにて皮膚付属器を含めた皮膚、軟部組織の再生に成功した。次はヒトへの外挿を目指す。