研究課題/領域番号 |
20K09865
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
八木 俊路朗 鳥取大学, 医学部附属病院, 准教授 (00378192)
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研究分担者 |
福岡 晃平 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (40548781)
久留 一郎 鳥取大学, 医学部, 教授 (60211504)
森田 真紀 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (60838407)
陶山 淑子 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (90448192)
藤井 香綸 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (80890326)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 乳房再建 / 脂肪組織由来幹細胞 / 大網 |
研究実績の概要 |
まず本課題を遂行するにあたり、8~10週齢のLewisラットを用いて両側背部皮下に①コントロール群(脂肪単独移植)、②大網移植群(大網単独移植)、③大網+脂肪組織由来幹細胞群(大網と脂肪組織由来幹細胞を混合移植)、④脂肪+脂肪組織由来幹細胞群(脂肪組織と脂肪組織由来幹細胞を混合移植)の4種類の物質を移植し、移植後1~4週にわたって形態学的および組織学的な評価を行う動物実験計画を立てた。 既に当方で得られているデータとして、脂肪組織由来幹細胞はeNOSのリン酸化タンパクのタンパク発現を有意に促進するほか、脂肪組織由来幹細胞含有の培地で一晩培養したヒト臍帯静脈内皮細胞の培養上清中に含まれるNOの濃度が有意に高いことが分かっている。また、使用モデルの種類は異なるが、一側の外腸骨動脈を結紮切離して作製する下肢虚血モデルマウスにおいて、レーザードップラー血流計における血流改善と細胞投与後の大腿内転筋の抗CD31抗体の免疫染色で毛細血管新生が有意に促進されることが分かっている。 計画立案後、各群の評価を行う前に、対照群に設定した脂肪単独移植群において形態学的および組織学的な評価を行った。局所にとどまり、形態維持に寄与すると考えられていた脂肪組織であったが、複数回において皮下で脂肪融解を起こし擬似乳房の形態が維持できないことが判明した。原因としては、実験者の技術的な問題のほか、今までモデル作製に用いていたラットの系統と異なっていることなどが問題点であると考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
確立されているとした乳房再建モデルマウスが脂肪融解により作製できず、今年度中に当初予定していた各群での比較検討ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降で乳房再建モデルマウスの作製の問題点を抽出し、正しいモデルの作製方法を改めて確立する。仮に乳房再建モデル動物が作製できなかった場合には、他のモデルに切り替えての条件検討をし直すことも検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度中に計画していた乳房再建モデルマウスへの各組織の投与が進まなかったため、次年度以降でモデル動物作製についての検討ならびに評価項目の検討、生着率の定量などの項目を網羅する必要があるため。
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