研究課題/領域番号 |
20K09866
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中桐 僚子 岡山大学, 大学病院, 医員 (10633753)
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研究分担者 |
岩井 良輔 岡山理科大学, フロンティア理工学研究所, 講師 (60611481)
渡部 聡子 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (20379803)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脂肪組織由来幹細胞 / 細胞 / スフェロイド / 成長因子 |
研究実績の概要 |
近年、移植脂肪に脂肪組織由来幹細胞(ASCs)を付加することにより、移植脂肪の生着率が向上するとの報告が多数されており、臨床でもASCsを付加した脂肪移植が行われている。また細胞はばらばらの状態よりも凝集塊にすることによりその生着や機能が向上するとの報告もある。本研究は、このASCsを細胞凝集塊にしたものを付加することにより、移植脂肪の生着率のさらなる向上を目指している。 まず細胞凝集塊の作製を行った。低接着性プレートにさまざま細胞数で細胞を播種することにより、大きさの異なる球状細胞凝集塊(スフェロイド)を作製した。また、自己凝集化誘導技術(CAT)を用いたファイバー状の細胞凝集塊、メッシュ状の細胞凝集塊の作製を試みた。細胞凝集塊を作製するための最適な播種密度の検討を行い、様々な太さのファイバーの作製に成功した。次に、単格子状の凝集塊を作製し多格子形成に適した条件の検討を行い、その結果から得られた条件を応用し9格子構造を有するメッシュ状細胞凝集塊の作製に成功した。 4種類の大きさのスフェロイドと単層培養細胞の培養を行って培養上清を採取し、培養上清中に産生されたVEGF,HGF等の成長因子の定量をELISAを用いて行い、凝集塊の状態と単層培養の状態によってそれぞれの成長因子の産生量が異なること、また凝集塊でもそのサイズによって産生量が異なることが確認できた。さらに、ASCsと脂肪の共培養を行うことにより細胞の濃度や細胞の形態による接着の違いを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Ex vivo評価を行うため、脂肪組織とASCsの共培養を行っているが、移植後環境を模倣した条件が確立できていないため、進捗が遅れている。またそのため移植実験に進めていない。
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今後の研究の推進方策 |
評価系の検討を進める。 また動物実験での移植方法の検討も必要と考えられるため、in vitro評価、ex vivo評価を行いながら移植実験も開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ex vivo評価での検討ののち動物実験を予定しているが、ex vivo評価がおくれているため動物実験に進めていない。そのため、次年度使用額が生じた。本年度は動物実験を行う予定である。
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