研究課題
基盤研究(C)
創傷治癒の過程で形成される肉芽組織をフローサイトメトリーで解析する手法を確立し,肉芽組織に存在する免疫系細胞の存在割合を明らかにした。末梢血における存在割合と比較して,肉芽組織においては単球・マクロファージ系細胞の存在割合が高いことが確認できた。また,単球・マクロファージ系細胞の一部は,肉芽組織においてはM2タイプのマクロファージの指標であるCD206を発現していることも確認できた。
創傷治癒
フローサイトメトリーによる肉芽組織の解析方法を確立し,肉芽組織に存在する免疫系細胞の存在割合を明らかにできた意義は大きい。今回の研究により,これまでは形態による病理学的な解析でしか語られなかった,創傷治癒過程におけるマクロファジの重要性を定量的なデータでも示すことができた。特に,M2タイプのマクロファージの存在を示すことができた意義は大きい。今後はマクロファージによるサイトカイン分泌や,他の細胞との相互作用について研究が進むことが期待される。