研究実績の概要 |
我々はこれまでに骨芽細胞由来のmiR-125b-5pが破骨細胞分化を抑制すること(Commun Biol, 2020)や、miR-125b-5pがin vitroで乳がん細胞の増殖・遊走・浸潤能を抑制し、in vivoで海綿骨吸収やがん転移巣拡大を抑制することを明らかにした(2018年度終了基盤C研究)。本件でmiR-125b-5pの乳がん細胞における標的遺伝子を同定するため、維持培養していたPY8119細胞(C57BL/6マウス由来乳がん細胞)にmiR-125b-5p mimicまたはnegative control mimicを導入したところ、実験当初より導入効率の低下が認められた。そこでPY8119細胞を新たに輸入・入手した。 また、乳がん細胞(マウスPY8119およびヒトMDA-MB-231細胞)にマウス骨芽細胞様MC3T3-E1細胞由来基質小胞(miR-125bが豊富に含有されることを確認済み)を添加し、発現抑制される遺伝子を探索した。TargetScanでヒト・マウス共通のmiR-125bターゲット遺伝子(推定)は680あり、そのうちGEPIA(Gene Expression Profiling Interactive Analysis)において乳がんで高値となるのは10遺伝子であった(fold change = 2.0)が、いずれも基質小胞による発現抑制は認められなかった。
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