研究成果の概要 |
口腔の味蕾は、舌の有郭乳頭・葉状乳頭・茸状乳頭と軟口蓋に分布する。味蕾の中で味孔まで伸びる細胞は、Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ 型の3種類に分類される。個々の味蕾に含まれるⅠ,Ⅱ,Ⅲ 型細胞の割合は、舌の乳頭や軟口蓋など部位間で違いがあるが、部位内では、どの味蕾もほぼ一定であると考えられていた。本研究では、ホールマウント免疫染色を用いて、各部位の個々の味蕾に含まれるⅡ型とⅢ型細胞の数を解析し、その数と割合が味蕾間で大きく異なっていることを明らかした。この結果は、味蕾のターンオーバーにおいて、新たに供給される3種類の細胞型の割合は、これまで想定されていたように一定ではなく、大きく変動している可能性を示している。
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