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2021 年度 実施状況報告書

新奇B7ファミリー様分子ILDR2の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K09902
研究機関広島大学

研究代表者

河野 洋平  広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (20401383)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードB7ファミリー
研究実績の概要

ILDR2は細胞外に免疫グロブリン様ドメインをもち、全長の異なる(167-661a.a.)膜貫通型および膜型ドメインを欠失した分泌型などあわせて7つの異なるスプライスバリアントがあるが、免疫系におけるそれぞれの発現様式や機能だけでなく、その生理的意義については不明である。今回膜貫通型ILDR2バリアントの遺伝子発現プロファイルをRT-PCR法にて調べたところ、バリアント1あるいは6については正常マウス骨髄ではB細胞、好中球、好酸球、単球に発現し、脾臓ではB細胞、樹状細胞に発現がみられる一方、CD4あるいはCD8陽性T細胞ではいずれの膜貫通型ILDR2フォームの発現がみられなかった。このことから膜貫通型ILDR2は抗原提示細胞およびミエロイド系細胞において発現することが示唆された。タンパク質レベルでのILDR2発現を確認する必要があるが、現時点ではマウスILDR2に対する特異的抗体など解析ツールがないため、研究を進めることが容易ではない。そこで現在、ILDR2特異的モノクローナル抗体取得を行なっているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

ILDR2はマウスとヒトあるいはラットでは99%が一致するほど、種を超えて高度に保存されたタンパク質であることがわかり、モノクローナル抗体を作製することが非常に難しいことが判明し、研究計画の進展に支障が出ている。また、これまでにILDR2ペプチドを用いたウサギポリクローナル抗体を取得することができたが、フローサイトメトリーによって細胞表面にある膜貫通型ILDR2を検出することができない。そこでやはりモノクローナル抗体を作製することを試みている。過去の文献に従い、自己タンパク質に対して特異的モノクローナル抗体を取得できる手法を採用した。ILDR2の細胞外ドメインおよび破傷風菌毒素(TT)に対する2種類のT細胞エピトープからなるFlag-Hisタグ融合タンパク(mILDR2ECD-TTpep-FlagHIs)を抗原として調製し、His、Flagタグ精製を行った。しかしながら収量および精製度が低いため、免疫源として不十分な状況である。また新型コロナウイルス関連の研究エフォートが高くなっており、本研究が遅延しているのも原因となっている。

今後の研究の推進方策

ILDR2特異的モノクローナル抗体作製用の抗原調製について、大量産生および精製純度の向上を目的として、無血清培地によるExpi293を用いた方法で調製することとする。精製度が低くても十分な収量が得られたらマウスへ免疫を行い、ハイブリドーマ作製、モノクローナル抗体の樹立をおこなう。また、J558L細胞株へヒトILDR2-TT融合蛋白を細胞表面に発現させるようにし、これを免疫源としてBalb/cマウスへ免疫し、ハイブリドーマ作製、モノクローナル抗体の樹立をおこなう。ハイブリドーマができない場合は抗原を蛍光標識し、これに反応するB細胞をソーティングし、その抗体遺伝子可変領域遺伝子配列情報を取得し、人工抗体作製を行うことも計画している。

次年度使用額が生じた理由

モノクローナル抗体を作製し、さまざまな解析をしていく予定であったが、予定外に困難な実験であったため計画を変更し、未使用額が発生した。このため当該実験を次年度に行うこととし、未使用額はその経費にあてる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] CEACAM1 specifically suppresses B cell receptor signaling-mediated activation2021

    • 著者名/発表者名
      Tsugawa Naoya、Yamada Daiki、Watabe Taro、Onizawa Michio、Wang Shuang、Nemoto Yasuhiro、Oshima Shigeru、Tsubata Takeshi、Adachi Takahiro、Kawano Yohei、Watanabe Mamoru、Blumberg Richard S.、Okamoto Ryuichi、Nagaishi Takashi
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 535 ページ: 99~105

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2020.11.126

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2022-12-28  

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