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2021 年度 実施状況報告書

歯原性間葉系幹細胞誘導因子の同定と歯の再生への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K09920
研究機関九州大学

研究代表者

和田 裕子  九州大学, 歯学研究院, 助教 (70380706)

研究分担者 清島 保  九州大学, 歯学研究院, 教授 (20264054)
藤井 慎介  九州大学, 歯学研究院, 講師 (60452786)
長谷川 佳那  九州大学, 歯学研究院, 助教 (30793989)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード歯の再生 / 器官形成 / 上皮間葉相互作用
研究実績の概要

歯胚発生過程の上皮間葉相互作用における上皮系幹細胞と間葉系幹細胞に重要な特異的因子を同定し、上皮間葉相互作用や歯の形態形成にどのように関わっているかを明らかにする目的で研究を行っている。これまでに、胎生18日齢マウス臼歯歯胚(E18歯胚)で歯乳頭、歯小嚢および歯胚上皮組織を分離し、それらのRNAサンプルを用いて微量RNA-seq解析により、上皮と歯乳頭および歯小嚢に高発現する遺伝子群をそれぞれ検出した。
これらのスクリーニングにより同定した新規因子の中で、上皮と歯乳頭を比較して歯乳頭に有意に高発現を認めるFactor Xに注目した。Factor Xは、未分化間葉系幹細胞の硬組織形成細胞への分化過程に関与している可能性があることが報告されている。そこで、Factor Xのマウス歯胚発生過程における帽状期(E15歯胚)と鐘状期(E18歯胚)の発現について検討したところ、免疫組織学的に歯乳頭の血管内皮細胞に強く発現を認めた。また、マウス歯髄間葉細胞株mDPを用いてFactor X siRNAの効果の検討を行い、歯乳頭に発現する因子への影響を検索した。一方で、歯乳頭と歯小嚢を比較して歯小嚢に有意に高発現を認める遺伝子群Yについても、免疫組織学的検索を行った。興味深いことに、歯小嚢に特異的に強く発現が認められ、歯小嚢形成に関与する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

微量RNA-seq解析により、E18歯胚上皮細胞と歯乳頭細胞に高発現遺伝子群として同定された新規遺伝子について検討を行っているが、免疫組織学的な発現やsiRNAの効果の検討に時間を要しやや遅れている。

今後の研究の推進方策

各候補因子をサブクローニングしたベクターを細胞株に導入し各候補因子を強制発現、siRNA等を応用し各候補因子の発現抑制を行い、細胞増殖能の検討および歯胚の細胞分化に及ぼす影響を検討する。さらに、それらの因子について器官培養法を用いた機能解析を実施する。

次年度使用額が生じた理由

マウス臼歯歯胚発生期のマウス頭蓋顔面部組織を用いた免疫組織学的検討やマウス歯髄間葉細胞株mDPにsiRNAを応用した実験に時間を要し、当該年度に予定していた実験の一部が行えなかったが、次年度それらの実験を行うため、予算の次年度使用が必要であると考えられる。

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公開日: 2022-12-28  

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