研究課題/領域番号 |
20K09936
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
沢田 啓吾 大阪大学, 歯学研究科, 特任研究員 (70733054)
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研究分担者 |
三木 康史 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (10598395)
竹立 匡秀 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60452447)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 歯周組織再生 / Trophic効果 / 細胞間ネットワーク |
研究実績の概要 |
本研究では、脂肪組織由来間葉系幹細胞(ADSC)が分泌する組織再生誘導因子(Trophic因子)の中でも、特にLbL(Layer-by-Layer)法を用いた三次元培養を行うことで増強される因子を同定する。また、それらのTrophic因子の発現に関与するシグナル経路について検討を加え、二次元培養環境でのADSCにおいて同シグナル経路を増強することで、歯周組織構成細胞に如何なる影響を与えるのかについて検討する。 2020年度は、二次元培養と三次元培養(LbL法)がADSCのTrophic因子発現に与える影響について解析を行った。まず、Lonza社から購入したADSCを用いて、FibronectinおよびGelatinでLbL処理を行い、細胞に薄膜層を形成する。その後、LbL処理を行ったADSCを6wellセルカルチャープレートに播種したものを二次元組織体(2D-ADSC)、24well トランズウェルインサートに播種したもの を三次元組織体(3D-ADSC)として、各組織体をDay2まで培養した。Day2にて上記の各組織体を回収し、LbL処理の有無および二次元培養/三次元培養が、細胞に如何なる影響を与えるかについて解析した。 その結果、LbL処理を行った2D-ADSCと3D-ADSCは、LbL未処理の2D-ADSCと3D-ADSCと比較して、SP7、RUNX2の発現が上昇する傾向が認められた。また、2D-ADSCと比較して、3D-ADSCにおいてSP7、RUNX2の顕著な発現上昇が認められた。 以上の結果から、LbL処理を行うことでADSCの硬組織形成細胞への分化を促進的に制御し、更に三次元培養にLbL処理を加えることで、同機能を更に促進する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた2020年度の解析を概ね実施できた為、上記の進捗状況と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、コロナウイルスによる影響の為、実験計画に遅延が生じ、二次元組織体および三次元組織体の培養上清のプロテオーム解析が実施できなかった為、同解析を2021年度に実施予定である。 また、研究計画の立案時に予定していたADSC三次元組織体が歯根膜細胞に与える影響の解析についても、2021年度に実施予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスによる影響の為、2020年度に予定していたプロテオーム解析のサンプル解析が実施できず、当初の予算額の執行ができなかった。同プロテオーム解析については、2021年度に実施予定である。
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