研究課題
炎症歯周組織でのアメロチン(AMTN)およびODAMの転写調節機構を解明するため、ヒト歯肉上皮細胞(Ca9-22細胞)をTNF-α(10 ng/ml)またはIL-1β(1 ng)で刺激し、AMTNおよびODAMの遺伝子発現の変化を解析した。Ca9-22細胞をTNF-αまたはIL-1βで刺激すると、AMTNとODAMのmRNAおよびタンパク質量は12時間後に増加した。Ca9-22細胞に-353AMTN Lucコンストラクトを導入しTNF-αまたはIL-1βで12時間刺激すると転写活性は上昇した。-480塩基対上流までのODAM遺伝子プロモーターを含むLUCコンストラクトの活性は、TNF-αまたはIL-1βで12時間刺激すると上昇した。AMTN遺伝子プロモーター中のCCAAT/enhancer binding protein (C/EBP)1、C/EBP2、Yin Yang1(YY1)配列に変異を挿入すると、転写活性の上昇が部分的に抑制された。A kinase、チロシンkinase、MEK1/2およびPI3 kinase阻害剤によりLUC活性の上昇が抑制された。ゲルシフトアッセイの結果、核内タンパク質のYY1配列への結合は、TNF-α刺激3および12時間後に増加した。C/EBP2配列への結合は、IL-1β刺激6および12時間後に増加し、YY1配列への結合は6時間後に増加した。上皮細胞でのヒトAMTN遺伝子発現は、TNF-αおよびIL-1β刺激後に、上記のリン酸化シグナル伝達を介してC/EBPβとYY1転写因子のAMTNプロモーター配列への結合量を調節して行われると考えられた。ODAMのルシフェラーゼ活性は、チロシンkinase、MEK1/2およびPI3 kinase阻害剤により抑制された。IL-1βまたはTNF-αで刺激するとYY1およびC/EBP結合配列への核内タンパク質の結合が増加したことから,IL-1βとTNF-α刺激により誘導された転写因子がYY1およびC/EBP配列に結合し,ODAMの転写を調節している可能性が示唆された。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (6件)
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