研究課題/領域番号 |
20K09952
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊藤 祥作 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (90360495)
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研究分担者 |
阿部 真土 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (40448105)
成瀬 陽菜 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (60823515)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 根管貼薬剤 / Wnt/β-catenin シグナル伝達経路 / 炭酸リチウム |
研究成果の概要 |
炭酸リチウム貼薬群では,コントロール群と比較して根尖病変の治癒促進が認められた。炭酸リチウムの根管貼薬による根尖病変治癒促進のメカニズムは,まず,Wnt/β-catenin シグナル伝達経路が活性化することがきっかけとなる。これに引き続き,M1 マクロファージの分化抑制,M2 マクロファージの分化促進,制御性 T 細胞の分化誘導が起こり,免疫系の制御が行われる。これらの機序が働くことで,根尖病変内の炎症状態が早期に収束し,抗炎症状態へ移行,治癒に適した環境が整えられたと考えられる。そして,骨芽細胞の分化が誘導されることにより,硬組織の形成がすすみ,根尖病変体積の縮小が促進されたと考えられる。
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自由記述の分野 |
保存治療系歯学関連
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの根管貼薬剤は, 主に起炎細菌の殺菌・静菌を目的に開発されてきたのに対し,本研究は,宿主細胞内シグナル伝達経路を活性化して, 病変の治癒を賦活化する根管貼薬剤を開発するというものである。研究の結果,炭酸リチウムはWnt/β-catenin シグナル伝達経路を活性化し,M1 マクロファージの分化抑制,M2 マクロファージの分化促進,制御性 T 細胞の分化誘導がおこり,治癒に適した環境が整えられた。そして,硬組織の形成も誘導された結果,根尖病変体積が縮小した。本研究成果により,歯根端切除術を回避できる症例が増えることが予測され,超高齢社会において,大きなメリットをもたらすと考えている。
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