研究課題/領域番号 |
20K09971
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
青木 章 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30302889)
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研究分担者 |
竹内 康雄 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (60396968)
水谷 幸嗣 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60451910)
片桐 さやか 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (60510352)
小林 宏明 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50396967)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Er:YAGレーザー / 非外科的治療 / 歯周ポケット / 生物学的効果 / Photobiomodulation / 骨芽細胞 / 骨細胞 / 骨組織 |
研究実績の概要 |
Er:YAGレーザーを応用した非外科的低侵襲の歯周組織再生療法を確立することを目的として基礎的・臨床的研究を遂行している.これまでに,従来の機械的治療にEr:YAGレーザーを複合的に応用し,ポケット内を徹底的にデブライドメントする包括的な歯周ポケット治療法であるEr:YAG Laser-Assisted Comprehensive Periodontal Pocket Therapy (Er-LCPT) を新規に開発した. 2020年度の研究においては, 1.歯周基本治療において,垂直性骨欠損を有する中等度以上の歯周ポケットにEr-LCPT法を応用し,歯周ポケットの良好な治癒ならびに骨欠損部の骨再生を確認し,臨床研究を実施するための準備を行った. 2.イヌにおいて垂直性骨欠損を有する実験的歯周炎モデルの検討を行い,パイロット研究として2頭のイヌにEr-LCPT法を応用し,臨床的に良好な治癒を得た.現在,歯周ポケット治癒後の付着様式および骨組織の再生効果について組織学的に解析するため組織標本を作製中である. 3.レーザーの生物学的効果として,骨芽細胞への低出力Er:YAGレーザー照射がBglapの発現亢進とNotch signalingの遺伝子群の亢進を介して骨芽細胞様細胞の石灰化を促進することを明らかにした.また,骨形成性細胞への低出力Er:YAGレーザー照射は,骨形成を抑制するスクレロスチンの発現低下を惹起し,さらに,骨組織へのEr:YAGレーザー照射は,メカノレセプターであるBCAR1/p130Cas と同受容体であるYAP/TAZの主要制御回路であるHippo signaling pathwayを介して骨組織のメカノトランスダクションを制御し、早期の新生骨形成を促進する可能性があることを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は,コロナ禍のため病院が一時期閉鎖され,その後再開された後も外来臨床がかなり制限されたため,臨床研究の実施に支障が生じた.今後,外来診療体制の回復に従い,臨床研究の遂行に努力する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
基礎研究に関しては,これまで通り,支障なく積極的に推進する予定である. 臨床研究については,外来診療体制の回復に従い,臨床研究の遂行に努力する予定である.特に,患者のリクルートについて効果的な方策を検討中である.
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はコロナ禍により,臨床研究が遅れたため,また,基礎研究において,予想した費用より経費が少なく済んだため,その分の費用が残存した.2021年度に研究を推進し,その費用を使用する予定である.
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