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2022 年度 実績報告書

難治性根尖性歯周炎におけるEpstein-Barrウイルスのサイトカイン誘導能

研究課題

研究課題/領域番号 20K09980
研究機関日本大学

研究代表者

武市 収  日本大学, 歯学部, 教授 (10277460)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード難治性根尖性歯周炎 / 歯根肉芽種 / エプスタインーバーウイルス / Fusobacterium nucleatum / 酪酸 / BZLF-1 / ルシフェラーゼアッセイ / ZEBRA
研究実績の概要

難治性根尖性歯周炎患者の根尖病変組織45例と完全埋伏智歯を抜去した際に摘出した健常歯肉組織8例をコントロールとし、本研究に供試した。なお,本研究は日本大学歯学部倫理委員会の承認(BP16D026)を得て実施した。根尖病変組織および健常歯肉組織をヘマトキシリンーエオジン染色し,病理組織学的に歯根肉芽腫と診断した31例を以下の研究に供試した。なお,残りの14例は,歯根嚢胞と診断し,本研究からは除外した。
供試試料からDNAを抽出し、real-time PCR法で解析を行ったところ、全ての歯根肉芽腫からEpstein-Barrウイルス(EBV)を検出したが、健常歯肉組織からは一切検出できなかった。難治性根尖性歯周炎関連細菌を検索したところ,Fusobacterium nucleatumが最も多く検出され,BZLF-1発現と高い相関性を示した(r=0.6656,P<0.001)また、EBVの潜伏感染マーカーであるLMP-1またはEBVの再活性化マーカーであるZEBRAの抗体を用い,B細胞マーカーであるCD79aの抗体を用いた二重蛍光免疫染色法を行ったところ、歯根肉芽腫組織に浸潤したB細胞からこれらのタンパク発現を認めた。なお、健常歯肉組織からはこれらのタンパク発現は認められなかった。F. nucleatumの培養上清を用いてBZLF-1ルシフェラーゼアッセイを行ったところ,濃度依存的に活性が上昇した。Daudi細胞にF. nucleatumの培養上清を添加したところ,BZLF-1とZEBRAの発現が誘導された。
以上のことから,歯根肉芽種中にEBVが感染しており,潜伏性を示すものと再活性化を示すものとが混在していることが明らかとなった。また,健常歯肉組織からEBVが検出されなかったことから,EBVが歯根肉芽種中の炎症に関与する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 根尖性歯周炎におけるヒトヘルペスウイルス感染の関与2023

    • 著者名/発表者名
      武市 収,牧野公亮,氷見一馬,宮田泰伎
    • 雑誌名

      日本歯科保存学会雑誌

      巻: 44 ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] ヘルペスウイルスによる根尖性歯周炎発症とマイクロエンド2022

    • 著者名/発表者名
      武市 収
    • 学会等名
      第18回日本顕微鏡歯科学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 難治性根尖性歯周炎における再活性化Epstein-Barrウイルスの影響2022

    • 著者名/発表者名
      宮田泰伎,田村隆仁,羽鳥啓介,清水康平,林 誠,武市 収
    • 学会等名
      第156回日本歯科保存学会

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公開日: 2023-12-25  

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