研究実績の概要 |
今年度はカテキン含有の歯面コーティング材について試作し,口腔内細菌に及ぼす影響について検討したところ,以下の結果を得た. ①試作コーティング材の組成と作製;試作コーティング材は,ベース(4種類)とPRGバリアコートアクティブ(松風,京都)とを等量混和して調整し,ベースには,各々添加材料として,S-PRGフィラー,S-PRGフィラー+2.5wt%カテキン, S-PRGフィラー+5.0wt%カテキン, S-PRGフィラー+10.0 wt%カテキンを用いた. ②バイオフィルム形成に及ぼす影響;供試細菌としてS.mutansを用いた.S.mutans を1.0×10 7CFU/mLに調整後,各歯面コーティング材上に播種し 37°Cで 48 時間培養した.培養後、TSB培地に摂取しコロニー数をカウントした。その結果,S-PRGフィラーおよびS-PRGフィラー+2.5, 5.0, 10.0wt%カテキンの歯面コーティング材は、それぞれ、93.33, 13.92, 22.08, 23.58 X 5 X 10 4 CFU/mLであり,非カテキン含有のコーティング材と比較して、それぞれ85.0±10.6%, 76.3±11.3%, 74.4±21.1%の細菌生成抑制を認めた.カテキン含有の歯面コーティング材は,バイオフィルム形成を有意に阻害することが分かった.
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