研究課題/領域番号 |
20K09988
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 哲 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (60226850)
|
研究分担者 |
岩間 亮介 東北大学, 大学病院, 助教 (20866628)
江草 宏 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30379078)
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60374948)
鎌倉 慎治 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80224640)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | iPS / リン酸オクタカルシウム / ハイドロキシアパタイト / スフェロイド / 骨芽細胞 / 石灰化 |
研究実績の概要 |
三次元培養が可能な酸素透過型培養器(oxy chip)および非酸素透過型培養器(non-oxy chip)を作製しマウス歯肉線維芽細胞由来iPS細胞をそれぞれの培養器で培養した.またリン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト(HA),β-リン酸三カルシウム(β-TCP),OCP)共存下でiPS細胞をoxy chip上で培養し、三次元細胞凝集塊(スフェロイド)を形成した.培養期間は7日,14日,21日とし,スフェロイドの直径,DNA量,ALP活性,培地のpH,Ca2+濃度,無機リン酸(Pi)イオン濃度を測定した.その結果リン酸カルシウム共存下のoxy-chipでの培養14日後では,ALP活性は,iPS細胞単独で培養した群と比較してOCP群で有意に増加した.OCP群のALP活性は,HA群,β-TCP群と比較して高値を示す傾向を認めた. Oxy chip群ではnon-oxy chip群と比較してpHが高くなる傾向を認めた.oxy chipにおいてリン酸カルシウム共存下で培養した群ではiPS細胞のみ培養した群と比較してpHが高くなる傾向を認めた. Oxy chip群ではnon-oxy chip群と比較してCa2+濃度は低値を示し,Piイオン濃度は高値を示す傾向を認めた.リン酸カルシウム共存下で培養した群ではiPSCのみを培養した群と比較してCa2+濃度は低値を示し,Piイオン濃度は高値を示す傾向を認めたがリン酸カルシウムの種類による差は認めなかった.本研究の結果より,CaP/iPSスフェロイドの骨芽細胞分化の挙動がCaP結晶相により異なることが示唆された.これらの研究からiPS細胞とリン酸カルシウムの三次元培養によるスフェロイドの形成がiPS細胞を骨芽細胞様細胞に分化させ、これにより大規模な顎骨再建を可能にし得ることが示唆された。そのために今後は実験動物を用いた研究が必要である。
|