研究課題/領域番号 |
20K09996
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研究機関 | 秀明大学 |
研究代表者 |
庭野 吉己 秀明大学, 看護学部, 教授 (40375184)
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研究分担者 |
宍戸 駿一 東北大学, 歯学研究科, 助教 (20850613)
中村 圭祐 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (30431589)
神崎 秀嗣 秀明大学, 看護学部, 教授 (60807345)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 歯科インプラント / 閉経女性 / 骨粗鬆症 / オッセオインテグレーション / ポリフェノール / プロアントシアニジン |
研究実績の概要 |
本研究ではプロアントシアニジン (PA)を豊富に含む食品を食事として摂取したときの骨代謝改善を介した歯科インプラントと歯槽骨の骨結合強度を検討することを目的としたが、今回の卵巣摘出ラット試験では挿入したインプラントの脱落例が多く、PAの影響をとらえることができなかった。脱落の原因は、大部分のインプラントで初期固定が得られていなかったことであると推察した。埋入時の問題点は把握できたので、再度検討する予定である。卵巣摘出マウスでのPA強制経口投与試験では骨代謝改善作用を確認しているが、今回の混餌投与試験では骨代謝改善作用は確認できなかった。混餌投与の場合でもPAの摂取量は強制経口投与試験と同等以上であったことは確認している。効果が確認できなかった原因を探る目的で文献的検討を行った結果、口腔内でPAが部分的に分解されることや唾液タンパクと複合体を形成することが混餌投与での効果を減弱させる一因であると考えられた。加えて、強制経口投与の場合は、一度にPAが胃内に入り、その大部分が大腸まで到達し、そこで腸内細菌叢との相互作用等で有用な効果を発揮する。それに対して混餌投与の場合は、少量ずつが順次口腔・胃を経て大腸に到達することになり、少量のため唾液タンパク、胃液、膵液の影響をより受けやすく、大腸での効果が発揮できなかったのではないかと推察した。したがって、PAの効果を引き出すためには、食事として摂取するのではなくサプリメントのような形態で直接胃内に投与するような方法が効果的であると考えている。今後の検討課題としたい。なお文献的検討結果は、3報の総説論文にまとめて投稿し、掲載された。
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