研究課題/領域番号 |
20K10003
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20228430)
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研究分担者 |
岩崎 剣吾 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (40401351)
本田 義知 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (90547259)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | iPS細胞 |
研究実績の概要 |
申請者はすでに、人工多能性幹細胞(iPS細胞)からMSC様細胞(iPSMSLC)を作製し、さらにiPSMSLCを骨芽細胞様細胞へと分化させることに成功した。 すなわち、大型の骨再建に必須となる、大量の骨芽細胞を理論上無限の細胞供給源になりうるiPS細胞から作製し、さらに局所定着細胞数の向上には移植細胞の生存を向上させる新規の移植担体であるヒトI型コラーゲン様リコンビナントペプチドを用いることにより、これまでの細胞移植の問題点を解決し、大型の骨再生を誘導する方法を見出すことを本研究課題の目的とした。 iPS細胞の培養、維持にはフィーダーレス・シングルセル継代を用い、無血清・ゼノフリー環境で行う。多分化能の確認にはFACS、免疫染色、qPCRによる未分化マーカーの発現解析を用いる。すでにFACSによって未分化マーカーが維持できていることを明らかにした。iPS細胞培養には、Cellartisr DEF-CSTM500(TAKARA)を使用しているが、ゼノフリー環境に変更すると細胞が増殖しない現象が認められており、他のゼノフリー培養液へと変更する予定である。 また、移植細胞の生存を改善する方策として新規細胞移植材料であるヒトI型コラーゲン様リコンビナントペプチドCellnestを利用する。移植した細胞や組織を生体内に効果的に生着させるには、栄養・酸素の供給や老廃物排泄を可能にすることが重要である。我々はラット間葉系幹細胞と歯髄幹細胞とCellnestの混合物は融合が可能で大きなセルザイク融合体を形成する。多くの細胞を含むCellnestを混合し培養することでサイズが大きくなっても死細胞が少なく、多くの細胞が生存していることが明らかとした。本材料は移植細胞の足場となり、さらにセルザイク内部に栄養・酸素の供給、老廃物の排泄を可能とし細胞の生存を高めることも明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
iPS細胞培養には、Cellartisr DEF-CSTM500(TAKARA)を使用しているが、ゼノフリー環境に変更すると細胞が増殖しない現象が認められており、他のゼノフリー培養液へと変更する予定である。StemFitAK03N(Ajimomoto)を用いてゼノフリー、フィーダーフリー環境で樹立されたiPS細胞を培養したところ増殖傾向が認められたため順調に培養が可能となるであろう。
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今後の研究の推進方策 |
我々が過去の研究で見出した方法を用いて、ゼノフリー条件でのiPSMSLCへの分化誘導を確立する。すなわち、ラミニン511コートディッシュ上へiPS細胞を播種後、ゼノフリー培養液を用いてiPS細胞からの分化誘導を行う。分化誘導期間として約4週間を設定し、形態観察を行いながら細胞の分化をモニターする。 さらに、ラット間葉系幹細胞ならびに歯髄幹細胞とCellnestを混合したセルザイクを骨芽細胞へと分化させラットへ移植する。
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次年度使用額が生じた理由 |
我々が過去の研究で見出した方法を用いて、ゼノフリー条件でのiPSMSLCへの分化誘導を確立する。すなわち、ラミニン511コートディッシュ上へiPS細胞を播種後、ゼノフリー培養液を用いてiPS細胞からの分化誘導を行う。分化誘導期間として約4週間を設定し、形態観察を行いながら細胞の分化をモニターする。 使用計画であるが、ラット間葉系幹細胞ならびに歯髄幹細胞とCellnestを混合したセルザイクを骨芽細胞へと分化させラットへ移植する。
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