研究課題/領域番号 |
20K10005
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
川村 文彦 関西医科大学, 医学部, 研究員 (10757074)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 再生医療 / 味覚再生 / iPS細胞 / ES細胞 / 味覚障害 / 味 / 味評価 |
研究実績の概要 |
胚発生初期の舌上皮において、Sox2が高発現している領域では味細胞への分化が促進されることが報告されている(Okubo T, Gene and Dev 2006)。本研究で誘導された味細胞マーカー陽性細胞も、味前駆細胞の時点でSox2を発現していた。対照的に、Sox2を発現していない細胞を分化誘導しても、味細胞マーカーは発現しなかった。よって、このSox2を指標にした分化誘導条件を検討している。 また、これから導入するCRISPR-KO screeningによって新たな指標となる遺伝子を網羅的に探索する。その遺伝子のレポーターも作成し、分化条件検討に用いる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Sox2を蛍光レポーターするベクターを構築し、マウスES細胞に導入した。これまでの誘導培養条件で作成した味細胞で、レポーターの発現を確認した。 また、ドキシサイクリン依存的にSox2をTet-onシステムで発現できるベクターも構築し、先の蛍光レポーター細胞に導入し、機能を確認した。 ドキシサイクリン添加と、蛍光レポーター指標を用いて味細胞の誘導効率が高い培養条件を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年5月より、研究機関を京都大学ウイルス・再生医科学研究所に移した。マウスES細胞だけではなく、ヒトiPS細胞やヒトES細胞での味細胞分化誘導を始めている。ゲノム編集CRISPR-Casを使った網羅的な分化誘導因子探索をするCRISPR-KO screeningを導入する予定である。また、ヒト細胞での味細胞を作成できたら、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究室が移動したため、計画していた予算を使いきれなかった。今後は京都大学における使用計画を再考し、新たにCRISPR-KO screeningを導入する予定である。
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