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2020 年度 実施状況報告書

ラミニン電着歯科金属インプラントと付着上皮の強固な生物学的封鎖を目指した基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K10008
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

中石 典子 (寺田)  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 技術職員 (60374550)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード歯科金属インプラント / ラミニン / 電着
研究実績の概要

電着は、工業塗装分野で用いられる溶液浸漬での電気化学的表面処理で、汎用でありながら導電性をもつ金属材料全般に対して有効で、均一な薄膜塗装が可能である上、生体機能性を付与することができる。他方、歯面やインプラント表面に付着する付着上皮の内側基底板には、特異的にラミニンが存在する。本研究は、歯科金属インプラントと上皮の生物学的封鎖の向上を目指し、この電着技術を用いて歯科金属インプラントにラミニンを固定化させ、①分子トロポジー、②結合状態、③生体機能を学術的に検証することを目的としている。
2020年度は、電着による固定化の条件を出すため、ラミニン溶液濃度およびpH、電着時間、電圧印加の条件を検討した。溶液濃度1ppm~25ppm、溶液pH4.0~9.0、溶液温度を4℃とし、カソード電位による直流(-1V)を30s負荷して電着を行った。ラミニンを電着させたチタン表面を観察したところ、ラミニンが凝集した状態で一様ではあるものの、散在して固定化されていた。この凝集体はpHに関係なく、100nm程度~10μm程度と大きさに幅があった。固定化された量はpH7が一番多かったと考えられた。
ラミニンをチタンに電着により固定化させる際、ラミニンがチタンに凝集することなくC末端はチタン表面に、N末端はフリーな状態で、均一に固定化されている状態を目指している。このことから、前述の結果は意図している状態ではないことから、引き続きラミニン溶液濃度と電着時間について検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ラミニンが凝集した状態ではなく、C末端はチタン表面に、N末端はフリーとなって均一に固定化させたいものの、現在、調整が取れいていない。引き続きラミニン溶液濃度と電着時間について検討を行っている。ことから、今年度の目標に沿った進行とはならず進捗はやや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

一様ではあるものの、ラミニンが凝集した状態で散在してチタン表面に固定化されていたことから、引き続き、ラミニンが凝集することなく、安定かつ均一にチタン表面に固定化される条件の検討を行う。また、印加条件を変えた条件による、分子トロポジー、元素状態、結合状態も解析し検討していく。

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公開日: 2021-12-27  

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