研究分担者 |
佐藤 正宏 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 細胞医療研究部, 共同研究員 (30287099)
稲田 絵美 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (30448568)
野口 洋文 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50378733)
齊藤 一誠 朝日大学, 歯学部, 教授 (90404540)
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研究実績の概要 |
低ホスファターゼ症患者は、全身的な問題だけでなく、小児期より歯の早期脱落、嚥下障害、口腔機能発達不全など口腔内の問題も認め、乳歯の早期脱落を契 機に低ホスファターゼ症(HPP)と診断されることが多く、歯科が重要な役割を果たし得る疾患である。本研究では、先天的にALP活性が低下したHPP患者由来乳 歯歯髄細胞に対して、遺伝子工学的処置(ゲノム編集)を行い、ALP遺伝子を本来の遺伝子型へと修正することで、乳歯歯髄細胞におけるALPの役割を細胞レベル で明らかにすることを目的とした。 開始2年目となる今年度は、前年度と同様にHPP-HDDPC(低ホスファターゼ患者由来乳歯歯髄細胞)へのALP発現ベクター導入によるALP過剰発現細胞株の樹立を試み、樹立されたALP-HPPHDDPCについての解析がメインとなった。in vitroにて、増殖速度、細胞間接触、細胞形態、多分化能といった細胞挙動について調べ、親株のHPP-HDDPCと比較検討した。また、一部のHPP-HDDPCについては、CRISPR/Cas9を用いて、HPP-HDDPCにおける変異ALP遺伝子修正を実施した。本手法はテクニカルな問題で成功率が高くないため、現在も継続して試みている。本研究の一部は総説として、Sato M, Saitoh I, Kiyokawa Y, Iwase Y, Kubota N, Ibano N, Noguchi H, Yamasaki Y, Inada E. Tissue-Nonspecific Alkaline Phosphatase, a Possible Mediator of Cell Maturation: Towards a New Paradigm. Cells. 10(12):3338. 2021.にて公開した。
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