• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

3次元傾斜構造型骨補填材の創生

研究課題

研究課題/領域番号 20K10016
研究機関昭和大学

研究代表者

片岡 有  昭和大学, 歯学部, 講師 (90527300)

研究分担者 柴田 陽  昭和大学, 歯学部, 教授 (30327936)
宗像 源博  昭和大学, 歯学部, 准教授 (90396987)
山口 菊江  昭和大学, 歯学部, 助教 (40710421)
成澤 英明  昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (80231497)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード骨移植材 / リン酸カルシウム / CAD/CAM / 3Dプリンター
研究実績の概要

本研究の目的は骨補填材の生体反応を明らかにすることで、新たにオーダーメイドの骨補填材を創出し超高齢社会に適した骨質改善を視野に入れた口腔インプラント治療を可能にすることである。超高齢社会で口腔インプラント治療の対象となる症例で骨補填材が多用されているにもかかわらず骨補填材界面の微小領域の生体反応は未だ明らかにされていない。その結果、骨補填材を併用するインプラント治療は、術者の経験を基にした検査・診断を基に術前・術後の評価が行われているのが現状である。
2020年度は3Dプリンター用材料の開発に取り組んだ。矯正歯科領域において、アライナー型矯正装置を3Dプリンターから直接プリントすることが検討されていて、一般的に既存材料にはビスフェノールAやアンチモンが含まれ、人体への影響が危惧され、本課題で考えている骨移植材の構築には適さない。そこで機械的強度が高く、生体為害性のない3Dプリンター用材料の従来型バイオコンポジットレジ(EBR)の研究を継続して行ってる。吸水試験においてはEBRおよびmEBR共に対照試料と比較して有意に大きい値を示したが、3点曲げ試験では吸水後にEBRと比較してmEBRは有意に大きい値を示した。細胞毒性試験ではmEBRは70.0%未満となる相対コロニー形成率の低下が認められた。mEBRは本課題で考えている傾斜型骨移植材の成形に有効であることが明らかになった。
2021年度は、新規に3Dプリンターを準備し、STLデータから任意の生体材料形状を構築することができた。また、骨移植材を混和することでリン酸カルシウを含有するコンポジットレジンを製作することが可能であることが分かった。
2023年度はこれらの生体適合性試験など、材料評価を主体に行っていくにあたり自作骨移植材での動物実験を開始した。
2024年度はこれらの結果をまとめ学会発表と論文投稿に注力する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究計画では3年度にわたり次の計画を立てた。2020年度には①既存骨補填材の結晶微小領域の分析、②最表層超微小領域(ナノ)での石灰化硬組織結晶の理工学物性の解明(in vitro)、2021年度には③最表層超微小領域(ナノ)での石灰化硬組織結晶の「理工学物性の解明」(in vivo)、④骨補填材最表層超微小領域での石灰化硬組織結晶の「メカニズムの解明」、2022年度には⑤3Dプリンターを用いた3次元傾斜機構型骨補填材の試作を考えていた。2020年度は、共同研究者が集合して研究を行うことが困難であったために①~④を遂行するのは困難であった。しかしながら、2021年度遂行すべき内容を進めることができ、研究結果も論文掲載できた。計画していた段取りとは一部異なるものの一定の結果を得ることができたと考えている。2022年度は動物実験(in vivo)が予定通りに進まず、2023年度に研究機関を延長して取り組んだ。2024年度はこれらの結果をまとめ、学会発表および論文投稿する準備を行う。

今後の研究の推進方策

2020年度から2022年度に結果を得られた結合材として用いるレジン材料のデータを元に、3Dプリンターを用いた3次元傾斜機構型骨補填材の試作が可能になると思われる。使用可能とされている3Dプリンターを用い、結合材とリン酸カルシウム結晶を混和し造形を既に行っており、今後、結合材を除去するための加熱処理により結晶性を加味し加熱時間を調整する。2023年度は「既存骨補填材の結晶微小領域の分析」をする。各種市販骨補填材を実験に供す。通法に従い、試料をレジン樹脂に包埋し、試料を割断し研磨したものを分析に用いる。顕微エックス線回折により、ハイドロキシアパタイト結晶の異方性を求める。また、ナノインデンテーションを用い、骨補填材の微小領域評価(弾性係数および硬さ)を総合的に行う。これらを基に動物実験(in vivo)を行う。ラット頭蓋骨に直径5㎜の穴をあけ骨移植材を填入し、現在その経過を追っている。一定の結果が出ているので研究期間を見て論文投稿まで完了できるスケジュールで組み立てる予定である。

次年度使用額が生じた理由

自作骨移植材の製作は、既に準備されたもので終了できた。2024年度は学会発表および論文投稿などを行う予定であり、その際の英文校正費などを支出する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Study of the Associated Risk Factors for Early Failure and the Effect of Photofunctionalisation in Full-Arch Immediate Loading Treatment Based on the All-on-Four Concept.2024

    • 著者名/発表者名
      Uesugi T, Shimoo Y, Munakata M, Kataoka Y, Sato D, Yamaguchi K, Sanda M, Fujimaki M, Nakayama K, Watanabe T, Malo P.
    • 雑誌名

      Bioengineering

      巻: 11 ページ: 223

    • DOI

      10.3390/bioengineering11030223 Abstract

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] The Effectiveness and Practicality of a Novel Barrier Membrane for the Open Window in Maxillary Sinus Augmentation with a Lateral Approach, with Risk Indicators for Bone Graft Displacement and Bone Height Decrease: A Prospective Study in Humans.2024

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi K, Munakata M, Sato D, Kataoka Y, Kawamata R.
    • 雑誌名

      Bioengineering

      巻: 22 ページ: 1110

    • DOI

      10.3390/bioengineering10101110.

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi