研究課題/領域番号 |
20K10026
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山本 悟 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (10344524)
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研究分担者 |
横山 敦郎 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (20210627)
小松原 浩実 北海道大学, 大学病院, 助教 (50221247)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | デンタルインプラント / カーボンナノホーン / 抜歯即時埋入 / 早期荷重負荷 |
研究実績の概要 |
インプラント治療において、治療期間を短縮し早期に機能回復を得ることは患者にとって有益なことであるが、早期荷重にはオッセオインテグレーションの早期獲得が必須であり、インプラント周囲の骨組織の反応も重要であるが不明な点が多い。本研究は、骨組織と適合性が高く骨形成に効果的なカーボンナノホーンをコーティングしたインプラントが、早期荷重を負荷した場合にオッセオインテグレーションの早期獲得に有効であるか、またその際にインプラント周囲の骨組織にどのような反応が生じているかという2点を明らかにすることである。 令和3年度の研究の成果は、令和2年度に製作したカーボンナノホーンをコーティングしたチタンインプラントを用いて動物実験を行った。4週齢雄性ウィスター系ラットの上顎左側第一臼歯をイソフルランを用いた全身麻酔下で抜歯し、抜歯窩にカーボンナノホーンコーティングチタンインプラント(実験群)またはカーボンナノホーンを表面修飾していないチタンインプラント(コントロール群)を即時埋入した。埋入後1週間および2週間後に実験動物を安楽死させ上顎骨を採取し、組織標本製作後、病理組織化学的検索を行った。 コントロール群および実験群ともにインプラント体スクリューのスレッド間には新生骨が認められていたが、実験群においては、新生骨がカーボンナノホーンと直接接している部分が観察され、より早期に新生骨が形成されることが認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究課題の進捗が遅れている理由は、カーボンナノホーンをコーティングしたチタンスクリューの製作に時間を要した為に、本年度は主に動物実験において抜歯窩にチタンインプラントを即時埋入する実験を行った。実験期間中にインプラント体が脱離した事例が何件かあったため、コントロール群および実験群共に十分な匹数を揃える事ができず、インプラント埋入後の咬合接触を与えた早期荷重負荷実験を進める事ができなかったため進捗が遅れる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度の予定は動物実験によるチタンインプラントの抜歯即時埋入後の早期荷重負荷実験であったが、研究の進捗が遅れているため、令和4年度の予定は、令和3年度にできなかったチタンインプラントの抜歯即時埋入、早期荷重負荷の実験を今年度前半に行い、後半は組織標本製作や組織計量学的検索を行い研究のまとめを行うよう変更し研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度の研究計画では、カーボンナノホーンをコーティングしたチタンインプラントを製作した後、動物実験を行う予定であったが、カーボンナノホーンコーティングチタンインプラントの製作が難航したため研究計画に遅れが生じ、動物実験が実施できなかった。そのため実験動物の購入や飼料代、麻酔薬などの動物実験に関連する費用や組織標本作製に関連する費用が執行されなかった。 次年度に繰り越された助成金は、令和3年度に実施する予定であった動物実験を行うための実験動物や薬品などの購入に使用し、その後本年度に計上している助成金を使用して本年度に実施を計画している動物実験、組織標本製作などを行なう予定である。
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