研究課題/領域番号 |
20K10039
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
田中 謙光 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00610049)
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研究分担者 |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
石井 正和 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00456683)
宮崎 敏樹 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (20324973)
末廣 史雄 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (40524781)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | バイオミメティクス法 / 間葉系幹細胞 / 骨再生 |
研究実績の概要 |
バイオミメティクス法を用いてチタンディスク上に各種イオンを含有したアパタイトを析出させ、サンプルの作製を行った。 銅、マンガン含有アパタイト(カルシウム:各種イオン比=4:1)を析出させたサンプルと、コントロールとしてアパタイトのみを析出させたサンプルを用いて細胞の接着実験を行った。購入したヒト腸骨骨髄由来間葉系幹細胞を5000cells/cm2でサンプル上に播種し、10%ウシ胎児血清、1%抗生物質を含有したαMEM培地にて培養した。細胞播種から1、4日後の細胞の接着状態をPhalloidinでF-actinを、DAPIで核を染色し、蛍光顕微鏡にて観察した。その結果、銅、マンガン含有サンプルはともにコントロールと比べて細胞増殖を抑制する傾向がみられた。 銅およびマンガンの含有量が細胞増殖を抑制したのではないかと考え、カルシウム:各種イオン比=8:1および80:1の2種類のサンプルを作製することとした。また、銅、マンガンに加えてコバルトを含有したサンプルを製作し、細胞接着実験を行った。その結果、8:1の比率では銅、マンガン、コバルトいずれのイオン含有サンプルでも細胞増殖を抑制する傾向がみられた。一方で80:1の比率ではいずれのサンプルでも細胞増殖への影響は少ないと考えられた。 今後はカルシウム:各種イオン比=80:1でサンプルを製作し、実験を行うこととする。 ヒト顎骨骨髄由来間葉系幹細胞は既に本研究に用いるだけの一定数を確保できているが、今後も継続して採取を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は九州工業大学との共同研究であり、試験片製作を分担してもらう計画であったが、新型コロナウイルスの影響で往来ができず試験片製作の点で計画に遅れがみられる。また含有イオン量を決定するためのパイロットスタディに回数を要しており、こちらの点からも計画に遅れがみられる。
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今後の研究の推進方策 |
チタンディスク上に析出させるカルシウム:各種イオン比=80:1でサンプルを作製し、WST assayで細胞増殖を検討する。さらに、細胞増殖の結果を受けて骨分化能の検討(ALP活性定量、骨分化関連遺伝子発現のリアルタイムPCR)を計画する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で旅費がかからなかったため、次年度使用額が生じた。繰り越し金は消耗品や論文投稿費用や英文校正費用にあてる計画である。
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