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2020 年度 実施状況報告書

食の力を測る新システム開発と咀嚼機能評価

研究課題

研究課題/領域番号 20K10048
研究機関東北大学

研究代表者

菊池 雅彦  東北大学, 大学病院, 教授 (60195211)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード咀嚼圧 / 圧力センサシート
研究実績の概要

本研究では、圧力を電気信号に変換するシート状のセンサを応用して、食物咀嚼時に上下顎臼歯部間に生ずる咀嚼圧をリアルタイムで記録し、圧力を積分して力に変換することで、歯列上の咀嚼力として分析する方法を考案した。この方法により、様々な食物を咀嚼した時の咀嚼力を比較的簡便に測定できるだけでなく、歯の部分欠損がある患者、部分床義装着者、全部床義歯装着者などを対象に、補綴治療前後の評価にも応用可能であると考えられた。咀嚼圧測定には、面圧分布測定システムI-SCAN(NITTA社製)を用いることを計画した。本システムは、厚さ0.1mmの超薄型センサシートをセンサコネクタに接続し、各センシングポイントの電気抵抗値をデジタル信号に変換してパソコンに送信するものであり、センサシートの形状はカスタマイズすることが可能であると考えられた。しかしながら、メーカー担当者と本研究計画について協議したところ、面圧分布測定システムI-SCANは、製造設備のプレス機圧力分布確認や人の静止立位時のバランスを確認する用途で活用がされているものの、歯やマウスピースを対象とした場合はセンサシートに凹凸の接触により応力が集中しセンサシートの破損が発生するという欠点が示された。すなわち、本センサシートは平面同士での測定には適しているものの、凹凸や湾曲、細かな物質を対象とした測定には適していないことが判明した。これらのことから、代替となりうるセンサシートについて検討している。その他、本研究に関連する先行研究の文献検索を行い、学内研究倫理委員会への申請の準備を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

令和2年度は、当初から新型コロナウイルスの全国的な感染拡大により研究活動が大幅に制限された。一方、本研究で使用することを計画していた面圧分布測定システムI-SCAN(NITTA社製)は、歯やマウスピースを対象とした場合はセンサシートに凹凸の接触により応力が集中しセンサシートの破損が発生するという欠点があることが示され、代替品を検討する必要が生じた。

今後の研究の推進方策

面圧分布測定システムI-SCANに類似したものとして、T-スキャンⅢ(東京歯材社)を代替品の候補として検討している。T-スキャンⅢは、従来の咬合紙やワックス、その他の検査機器では検知できなかった咬合の3要素「咬合接触位置」「咬合接触力」「咬合接触時間」を 同時に精密に計測できるとされている。したがって、形状はカスタマイズできないものの本研究に応用できる可能性があると考えられる。

次年度使用額が生じた理由

当初、購入を予定していた測定機器が本研究の遂行に不適であることが示されたため購入を見合わせたことと、新型コロナウイルス感染拡大に伴い参加を予定していた関連学会の全てがオンライン開催となったため旅費の使用がなかったことなどが挙げられる。測定機器については代替品の可能性を検討しており、問題がなければ購入する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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