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2023 年度 実施状況報告書

重度認知症高齢者における静脈内鎮静法が脳細胞の活動および認知機能に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 20K10061
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

森本 佳成  神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (00264870)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード認知症 / 高齢者 / 静脈内鎮静法 / 歯科治療 / 脳波
研究実績の概要

本研究の目的は、認知症高齢者に対するミダゾラム投与により、脳波成分および振幅がどのように変化するか、健常者と比較することである。本研究は、神奈川歯科大学研究倫理審査委員会の承認を受けて行われている。
本年度までに、認知症高齢者14名に対し脳波計MWM20(株式会社ジー・エム・エス)を用い、自動解析にてδ波・θ波・α波・β波を測定し、また総振幅と総振幅に対する各脳波の振幅の比率を計算した。一方、非認知症高齢者9名の測定値と比較した。
ここまでの結果は、ミダゾラム投与前においては、認知症高齢者では非認知症高齢者に比べて、δ波(徐波)の比率が高く、速波(α波・β波)の比率が少なかった。ミダゾラム投与により、認知症高齢者ではβ波(速波)の増加を認めた。非認知症高齢者では、ミダゾラム投与によりδ波(徐波)の大幅な減少とα波(速波)の著明な増加を認めた。以上より、ミダゾラム投与により、認知症高齢者ではβ波(速波)の比率が増加するが、非認知症高齢者ではα波(速波)の比率が増加した。ミダゾラム投与により、認知症高齢者の脳波の振幅およびθ波(徐波)は低下したが、非認知症高齢者では変化はなかった。以上より、ミダゾラムを用いた静脈内鎮静管理では、認知症高齢者と非認知症高齢者では、脳波の変化パターンに相違がみられた。一方、次の段階であるプロポフォールによる脳波変化についてもデータ収集を開始し、本年度は2名を組み入れた。次年度は、ケースコントロールされた症例数(各群14名)まで非認知症群のミダゾラム投与のデータを採集し、同時にプロポフォールの症例も増加させる。また、学会発表と論文作成を並行して行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度~2022年度までのCOVID-19蔓延時期に重度認知症高齢者の受診が大幅に滞っていたため、合計で今年度の予定症例数までは到達しなかった。ケースコントロールにて、各群14名ずつを必要とするが、認知症高齢者では順調に進行したが、非認知症高齢者は患者数が少なく遅れている。また、重度認知症群のミダゾラム投与については症例数が予定に到達したため、次の段階であるプロポフォールを使用する症例を開始したが、現状はまだ少ない状況である。

今後の研究の推進方策

2023年度からは、COVID-19蔓延期以前に近いペースで、重度認知症高齢者が受診されているため、引き続きデータの収集に努める。特に本年度は、非認知症高齢者の例数を増加させ、予定数に到達させる。同時にできるだけ、プロポフォールの症例も増加させてゆく。同時に、学会発表と論文作成を並行して行ってゆく。

次年度使用額が生じた理由

2023年度は順調に症例を登録できたが、過年度にCOVID-19蔓延のために症例の登録が進まず、合計の症例登録数は予定を下回っている。そのために合計の使用金額が少なく次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 認知症高齢者の全身麻酔における脳血流量の変化ー健常者との比較2024

    • 著者名/発表者名
      森本佳成
    • 学会等名
      第33回日本有病者歯科医療学会

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公開日: 2024-12-25  

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