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2022 年度 実施状況報告書

骨結合性超分子による破骨細胞機能調節 -骨吸収抑制新規治療薬の開発-

研究課題

研究課題/領域番号 20K10064
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

吉川 美弘  大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70434793)

研究分担者 池尾 隆  大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40159603)
吉澤 達也  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (40313530)
田村 篤志  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (80631150)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードシクロデキストリン / 破骨細胞 / 骨
研究実績の概要

本研究は骨結合性超分子を用いて骨代謝を制御することにより、骨吸収抑制の新規治療開発の基礎となることが目的である。酸分解性超分子であるポリロタキサンはすでにNieman Pick病の治療薬として研究が進められているが、酸分解によってシクロデキストリンが放出される技術は様々な組織においても研究が進めらている。そこで我々はポリロタキサンが骨組織に応用することによって、骨代謝を制御できないか検討した。昨年までにin vitro実験において、カルボキシ基が修飾された酸分解性ポリロタキサン(CMC-PRX)が、リン酸カルシウムプレートに結合し、破骨細胞の機能を抑制したことを明らかにした。
本年度は昨年までの結果を踏まえて、CMC-PRXを用いてin vivo実験を行った。実験方法として蛍光色素を標識したCMC-PRXをマウスに皮下投与した。その結果、様々な組織では蛍光色素が観察されたが、骨組織では観察されなかった。また、CMC-PRXを骨粗鬆症モデルマウスに皮下投与した。マウスの腰椎を用いて非脱灰標本を作製し、骨形態計測をした結果、CMC-PRX投与群では骨量の回復は見られなかった。また、破骨細胞数の変化も見られなかった。今回の結果は、CMC-PRXが骨組織へ集積しなかったので、骨代謝を制御しなかったのではないかと考えられる。今後はポリロタキサンの修飾基を改良し、ポリロタキサンを骨組織に集積させることができれば、骨吸収抑制の新規治療開発の発展につながると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

in vitro実験ではCMC-PRXがリン酸カルシウムプレートに接着し破骨細胞の吸収を抑制したが、in vivo実験では想定外にCMC-PRXが骨組織に集積せずに骨吸収を抑制することはなかったため、当初の予定より遅れている。

今後の研究の推進方策

ポリロタキサンにカルボキシ基を修飾して、骨組織に接着をさせることを想定しているが、今後、カルボキシ基の代わりにリン酸基を用いて、骨組織に接着させて骨への影響を検討していく。

次年度使用額が生じた理由

コロナのため、実験に必要なプレートが製造中止となり、購入することができなかった。また、その結果、思うように研究が進まなかったため、研究費を次年度に持ち越すこととなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Calcium phosphate-adsorbable and acid-degradable carboxylated polyrotaxane consisting of β-cyclodextrins suppresses osteoclast resorptive activity2022

    • 著者名/発表者名
      YOSHIKAWA Yoshihiro、TAMURA Atsushi、TSUDA Susumu、DOMAE Eisuke、ZHANG Shunyao、YUI Nobuhiko、IKEO Takashi、YOSHIZAWA Tatsuya
    • 雑誌名

      Dental Materials Journal

      巻: 41 ページ: 624~632

    • DOI

      10.4012/dmj.2021-331

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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