研究課題
摂食嚥下障害に対するリハビリテーションにおいて、口腔周囲の組織の運動や感覚機能を促し、誤嚥のリスクを軽減することを目的とした間接訓練(基礎訓練)は、訓練に伴うリスクが少ないため疾患を問わず、摂食嚥下障害患者の多くに適応となる。申請者らは先行研究において、数ある基礎訓練の中で口腔周囲筋の運動が多く実施されている実態を明らかにしてきたが、その訓練方法については統一されておらず、効果を伴う方法についても確立はされていないことも、同時に明らかにした。本申請課題では、口唇や頬の筋力など、口腔周囲の筋力と嚥下機能の関連を検討し、筋力トレーニングの理論に基づいて、口輪筋および頬筋を中心とした口腔周囲筋に対するレジスタンストレーニング方法の効果を検証することを目的としている。本研究によって得られる成果として、科学的根拠および、より効果的な筋力トレーニングに基づく基礎訓練方法が提案が可能となると期待される。本年度は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大、緊急事態宣言等の影響を本研究においても少なからず受けているため、予定していた研究計画に基づく進捗状況には遅れを生じている。しかし、データ収集に必要な倫理委員会の申請、承認手続きを終了させ、計画されている計測準備を概ね完了した。また、コロナ禍や十分な感染対策の上に、社会情勢に極力左右されずに実現可能な計測プロトコールの再整備を行い、データの収集を開始している。
4: 遅れている
研究開始の2020年4月から初回の緊急事態宣言解除までの期間、所属施設での勤務態勢が変則的になり、倫理委員会申請、機器購入等の事務手続きを開始することが困難であった。また、口唇閉鎖力の測定等に当たっては、被験者となる入院患者と頻回に接触する必要性があり、感染対策の方針上、コロナ禍の現状を鑑みると従来可能であったような積極的な被験者の確保に難渋をしている。現在、倫理委員会の承認を得て、感染対策を整え、研究プロトコールの修正を行い、研究を進めている。
本研究の本題である、口腔周囲筋の筋力と嚥下障害の関連性を明かにすることに、主眼を本研究の本題である、口腔周囲筋の筋力と嚥下障害の関連性を明かにすることに、主眼を置くこととした。すなわち、嚥下機能障害を有する患者で、臨床的に嚥下障害に関する客観的データ(嚥下造影検査、嚥下内視鏡検査、MASA評価)を取得する患者に対して、口腔周囲筋の筋力測定を含めた包
新型コロナウィルス感染症の蔓延に伴い、研究の開始に必要な準備および事務手続きに遅れが生じ、研究全体に遅れが生じている。また、集会式の学会等の開催がなされないため、予定された予算を使用できなかった。
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Auris Nasus Larynx
巻: 48 ページ: 241-247
10.1016/j.anl.2020.08.004. Epub 2020 Aug 25.