研究課題/領域番号 |
20K10079
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
河相 安彦 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50221198)
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研究分担者 |
川上 央 日本大学, 芸術学部, 教授 (20307888)
堀畑 聡 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (20238801)
伊藤 誠康 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (80307876)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 咀嚼音 / 市販食品 / 再現性 / 妥当性 |
研究実績の概要 |
咀嚼から嚥下の連続した過程で発する音を評価する試験食品に市販食品を用い、咀嚼・嚥下機能を評価する検査法を開発するために2つの研究を実施した。 (研究1)試験食品の選定:13種の市販食品(アーモンド、リンゴ、バナナ、人参、チーズ、チョコレート、クラッカー、きゅうり、ハム、かまぼこ、蒟蒻、ピーナッツ、ラッキョウ)及びグミゼリー(UHA味覚糖)の最大圧縮力を小型卓上試験機(EZ-SX)で成人咀嚼時の咬合力と閉口速度(500 N、9.88 mm/s)で測定、最大圧縮力から、階層クラスター分析を行い、クラスター内の食品の変動係数(CV値)からその再現性を評価した。クラスター(C)は4つに類型され、C1(グミゼリー 11.8%)、C2(アーモンド 14. 7 %)、C3(かまぼこ 4.2 %)、C4(チョコレート 3.6 %)のCV値を示し、それぞれ使用可能な市販食品であることが示された。 (研究2)集音記録の再現性と収束的妥当性:健常歯列者で顎機能障害を認めない11名にアーモンドを咀嚼から嚥下まで行い発生す音を高機能騒音計(LA-7000)にて記録し、時系列解析ツール(Oscope2)にサンプリング周波数64000Hzで書き出し、咀嚼開始から10秒間のdB平方値とその和(以下、dB平方和)を算出した。集音は日内3回、2日間行い、日内は級内相関係数 (ICC: 1,3)、日間はpaired-t 検定にて再現性を検証した。級内相関係数は0.97および0.91、日間変動も有意の差を認めなかった(p = 0.18)ため集音記録の再現性が確認された。収束的妥当性は、dB平方和を従属変数(y)、咬合力測定システム(デンタルプレスケールII)および咀嚼能率検査(グルコセンサー GS-IIN)を独立変数(x)とする単回帰分析を行い、咬合力のみに有意な負の線形関係を認めた(調整済み決定係数: 0.44)。
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