現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
加振方法として、新たに振動置を制作するのではなく、口腔内で使用することを大前提とし、実際の臨床の場で使われている装置の利用・応用を考えた。予備実験の後、歯科用超音波スケーラーを用いることとし、オサダシリウスを選定した。昨年は、過去の報告より、1,000~3,000Hz程度の周波数が望ましいと考え、60,000rpm~180,000rpm程度の振動を作成するため、圧縮空気の圧力を抑えることでの180,000rpm (3,000Hz)振動を出せることが判明し、歯科用のスケーラーを基本に加振器の加動装置の開発を行った。ただ、圧縮空気の圧力を変えるためのコンプレッサーの工夫が必要であり、その開発を引き続き行っており時間を有している。一方で、手術室での利用となる、手術室壁面の医療ガス供給装置のアウトレットの利用することも検討したところ、容易に圧の変更は可能であった。今後どちらを選択するか、更なる検討が必要な状態である。 同時に、実際に下顎骨切りを行った場合での使用を踏まえ、分割した近位骨片への加振方法、そのチップ先端の考案も行った。プレートで固定する際に、スクリュー孔を形成するため、そのスクリュー孔をそのまま利用する方法や、鋭利なチップ先端そのまま骨に刺す方法を検討した。孔に利用する場合、孔との適合性や深さにも左右させることが判明し、安定したデータを得ることは困難であった。一方で、チップの先端を骨に刺す場合、先端が破折してこまるため、先端形状の工夫やチップの強度への配慮が必要であることも判明した。また、近位骨片と遠位骨片の位置関係も重要であり、両者を密着させると振動が遠位骨片に伝わり、減衰するため望ましくないこともわかってきた。下顎頭だけにいかに効率良く、しかも再現性のある安定したデータを得るように加振するか、検討が必要である。
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