下顎枝分割術後、長期安定性を獲得するためには、骨片固定を行う際の関節窩に対する下顎頭の位置づけが重要である。しかし、これは専ら術者の経験に頼っており客観的な手法はない。そのため、今回探傷技術を参考にし、分割した下顎枝に振動を与え、関節窩内での構造を探索するシステムを構築した。 加振方法、受振方法、分析方法の3つの観点から検討した。加振は、2000Hz前後の周波数でおこなった。受振は、頭部に装着するヘッドセットに加速度センサーを埋め込み、経皮的に骨伝導周波数を計測した。しかし、関節内構造に特徴的な波動を描出するのは困難でFFT解析までは踏み込めず、今後に課題を残す結果となった。
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