研究課題/領域番号 |
20K10098
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
岐部 俊郎 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50635480)
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研究分担者 |
渕上 貴央 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (40772439)
岸田 昭世 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50274064)
中村 典史 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (60217875)
田口 哲志 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (70354264)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 生体材料 / 骨再生 |
研究実績の概要 |
本研究では、マイクロ粒子化したHxAlGltnを応用して骨粗鬆症・MRONJマウスと、3D共培養モデルを用いてWntシグナルが介在する血管新生の促進・成熟が骨形成や周囲の細胞へ与える影響を解析することを目的とした。コロナウイルス感染拡大の影響で、予定していた動物実験の実施は困難であった。そのため、研究計画を修正し、MRONJ治療において今後応用が期待される生体材料である、HxAlGltnとオクタリン酸カルシウムコラーゲン複合体の2種類の素材について、細胞生物学的検討を進めるとともに、骨芽細胞におけるWnt分子の発現の基礎的解析を実施することとした。 生体材料については、臨床実績のあるオクタリン酸カルシウムコラーゲン複合体を骨芽細胞株へ適応したところ、骨形成転写因子であるOsterixとRunx2および、Ⅰ型コラーゲン、ALP、OPN、OCNなどの骨分化マーカー全般の著明な発現、石灰化の亢進を確認されたため、この結果をまとめ第66回日本口腔外科学会総会・学術大会にて学会発表を行った。この結果については、今後国際誌に投稿予定である。また、オクタリン酸カルシウムの臨床データについては国際誌へ投稿し、掲載された。( Kibe T, et.al. J Oral Maxillofac Surg 2021)さらに、歯原生腫瘍に関するの別の研究プロジェクトと共同して、骨芽細胞におけるWntの解析計画を組み込み解析を行い、そのデータを国際誌に投稿し、掲載された。(Chairani E, Kibe T, et.al BB reports 2022) 今後は、現在の研究結果をまとめ、研究チーム内での研究計画調整を行いながら継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた動物実験が、残りの期間では困難であるた実施できていたいことが大きな理由である。しかしながら、細胞実験については、進行しているので昨年と比較し研究計画は進行している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究計画の動物実験を実施するには長期間にわたる飼育と観察が必要になるため、現在の申請者の研究環境と残りの研究期間では継続的に実施することが困難な可能性がある。そのため、短期的に実施できる動物実験系を新たに計画するか、もしくは動物実験をおこなうことなしに、細胞実験系を様々な観点から解析する計画とする。現在は、細胞実験を中心に解析する計画にシフトしているため、今後も細胞を用いた研究を中心に成果を出す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度への繰越金が乗じた理由は、動物実験を予定していたが動物実験を中止し、細胞実験へシフトしたこと、学会などがweb開催もしくは中止となったことなどが挙げられる。次年度へ繰り越し、細胞実験費等として使用する予定としている。
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