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2020 年度 実施状況報告書

エクソソーム内物質に着目した口腔扁平苔癬の病因・病態解明と新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K10104
研究機関鶴見大学

研究代表者

豊田 長隆  鶴見大学, 歯学部, 学内講師 (80257344)

研究分担者 徳山 麗子  鶴見大学, 歯学部, 学内講師 (20380090)
里村 一人  鶴見大学, 歯学部, 教授 (80243715)
井出 信次  鶴見大学, 歯学部, 助教 (00611998)
梅木 泰親  鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (10552408)
寺田 知加  鶴見大学, 歯学部, 助教 (40460216)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードエクソソーム / 唾液 / OLP
研究実績の概要

超高齢化などわが国の社会的情勢の変化を背景として、これまで科学的検討が不十分であった口腔粘膜疾患に対する原因解明と治療法の開発が期待されている。なかでも口腔扁平苔癬(OLP)は様々な症状を呈し患者のQOLを低下させるが、いまだその病因・病態は不明で対症療法に頼るのみである。
本研究では、癌や炎症性疾患において新たな細胞間情報伝達機構として注目されているエクソソームに着目し、OLP患者から採取した唾液中に含まれるあるいはOLP由来のケラチノサイトから分泌されるエクソソームに内包される物質に対する定性的、定量的解析によりOLPの診断あるいは病因・病態の解明が可能か否かについて検討するとともに、エクソソーム自体をOLPの原因物質の除去あるいは抑制に利用した新たな治療法の開発につなげることを目的とする。
今年度は、唾液中に含まれるエクソソームの抽出において、これまでに行われている超遠心法に変わる簡便な方法として、カラムを用いた方法でのエクソソーム回収について検討を重ねた。これまで唾液を検体とするエクソソーム回収には困難が多かった。その大きな原因の一つである唾液の粘稠度について、PBS等のバッファーによる希釈過程および軽度の遠心による夾雑物の除去を経て、粘稠度をまず低下させた。得られた検体に対して、唾液中の酵素を除去するためにコンドロイチナーゼ等の処理を行う場合と行わない場合、限外濾過を行う場合と行わない場合、さらに限外濾過の濃縮部分を用いるのか濾過部分を用いるのかの違い等、様々な条件でエクソソームの回収量について検討を行った。その結果、今回の検討で安定的に唾液検体からエクソソームを回収できる可能性が示唆された。この方法によって得られた検体を現在表面抗原解析に進め、エクソソームの性状面からも検討を加えることで、安定的な唾液検体からのエクソソーム回収方法の確立を目指しているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、唾液を検体としたエクソソーム回収について解析を進めており、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

本研究では、OLP患者の唾液中及び健常者の唾液中に存在するエクソソームを解析 することによりOLPの病因・病態の解明、さらには新たな診断法の確立が可能か否かについて検討する。まずは、OLP患者の唾液中に分泌されるエクソソームの特徴を明らかにすることを目的に、OLP 患者及び健常ボランティアから唾液を採取し、カラムを用いた方法により、簡便に高純度にエクソソームを分離採集する。さらにエクソソーム内に存在するRNAとタンパク 質をTotal Exosome RNA & Protein Isolation Kitなどのキットを用いてそれぞれ回収し、唾液中に存在するエクソソーム内部物質の特徴を解析するためにエクソソーム内miRNAの検討、エクソソーム内タンパク質の検討を行う。また、エクソソームそのものの数や粒径に差があるか否かについても合わせて検討することで、エクソソームが口腔内病変の特徴を表す可能性があるか否かについて検討する。

次年度使用額が生じた理由

当初予定通り唾液中エクソソームの回収に関しては順調に方法の確立が進んでいるが、回収されたエクソソームの解析については、回収方の確率が予想以上に進展したためこちらを優先した結果、解析への支出が生じていない。よって、これを次年度に進めるために、繰り越しとした。今後は回収した唾液中エクソソームの解析を順次進める予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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