研究課題/領域番号 |
20K10105
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
芳澤 享子 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (60303137)
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研究分担者 |
新美 奏恵 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (20397136)
李 憲起 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (60350831)
各務 秀明 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (80242866)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 口腔顎顔面再建外科学 / 歯の移植 / 歯周組織再生 / 幹細胞 |
研究実績の概要 |
私たちはこれまで成人の歯根完成歯移植において,若年者の歯根未完成歯や歯胚とは異なり,移植後に歯根膜再生は果たせるものの失われた歯周組織の再生までは期待できず,成人の歯の移植には受容部に十分な歯周組織が必要であることを示してきた.そこで,歯の移植にβ-TCPブロックによる担体と骨髄単核球細胞(MNC)を用いたティッシュエンジニアリングを併用することで,歯槽骨再生を同時に行う可能性について検討を行ったところ、歯の周囲への骨再生は促進されたものの,βTCPブロックは複雑な歯槽骨や抜去歯に形態を合わせることが技術的に困難であり,また,MNCによる骨再生促進効果は認められず,より高い骨再生能を有する細胞と賦形性に優れた担体が必要と考えられた.そのため本研究では,これまでの研究から優れた幹細胞性と高い骨再生能が報告されている皮質骨由来多能性間質細胞(Compact bone-derived mesenchymal stromal cells: CB-MSCs)を浮遊培養することで得られるスフェロイドを用いることとした.また,賦形性に優れたコラーゲンスポンジを担体として採用することで,より臨床応用に適した手技の開発を目指した. 根が5分の4の完成段階である3週齢C57BL / 6J雄マウスの第一、第二臼歯(M1, M2)を抜去した。同マウスの脛骨と大腿骨の骨髄より単核球分画(MNC)を分離し、残った骨組織よりCB-MSCsを分離培養した。6~8週齢のSCID雄マウス29匹をTooth群(歯のみ),Collagen群(歯とアテロコラーゲン),MNC群(歯とアテロコラーゲンとMNC),CB-MSC群(歯とアテロコラーゲンとCB-MSCs)の4群にランダムに割り当て、背部皮下に移植した。移植後4週目に移植歯を周囲組織を含めて摘出し、マイクロCTによる解析および組織学的検索を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯の移植モデル作製に少し時間を要したが、概ね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
移植歯を周囲組織をふくめて摘出した試料を、μCTによる画像解析を行い、移植歯周囲の骨形成および骨密度をはじめとした骨質を検討する。その後組織学的、免疫組織化学的に歯槽骨、歯根膜形成に関して検索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
免疫組織化学で用いる試薬の購入が年度内に間に合わなかったため、次年度使用分とした。
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