研究課題
今年度の研究成果としては唾液を使用した最新機器を用いたDNA解析を行なっていることである。患者が複数名いる家族の4人のDNAを用いて解析を行っている。解析に用いた遺伝資料はオーラジーン唾液キットを用いて行った。質の良いDNAを得るために複数回にわたり採取をおこなった。採取を複数回行うということで患者家族に負担をかけ、また患者の受診状態に合わせたので予想以上に時間がかかった。また解析に使用した機器は最高品度のもので現在国内で使用できるもっとも高性能なオックスフォードナノポアテクノロジー社のプロメチオンを使用した。プロメチオンにはFLO-PRO114M 4Flowcellsのキットを使用した。これによりDNA多型のみならず構造変化、メチレーションの変化いついて全ゲノム解析を行っている。これにより口唇裂の裂型の違いは遺伝情報の構造的もしくは機能的変化によって「ゆらぎ」として発現しているのではないかと考えている。まず、DNAのクオリティについて長崎大学原爆後遺症害研究所にてチェックを行い、回収し、高度に精製したDNAは33-70μgであった。プロメチオンを用いたRUNでは一次クオリティチェック後では母1TB、リード平均長は13kb、父1.17TB、リード平均長は9.53kb、発端者1.21TB、リード平均長は13.32kb、姉妹1.14TB、リード平均長は10.74kbであった。現在は遺伝情報の2次スクリーニングとMappingを行なっている。これにより唾液由来のDNAにおいても超高性能でハイスループットなナノポア社プロメチオンの使用に耐えうるものであり、これにより採血をしなくても家族の同意さえ得ることが可能であるならばさらなるハイスループットなオミックス解析が可能性を示唆している。
3: やや遅れている
理由は機器をイギリスから昨年より輸入計画していたが、業者から今年に入り途中で断りがあったこと、再度、業者選定し登録から輸入まで予想以上に時間がかかったこと。現在は購入し共同研究施設である長崎大学にて解析中である。
DNA資料は既にオックッスフォードNANOポアテクノロジー社のプロメチオンにて反応、データ収集済みであり、現在は高度な各データ解析中である。その後はオミックス解析を行う予定である。データは全ゲノムデータであり、長鎖DNAの塩基配列解析から欠失などの構造解析、メチレーション解析をおこなうので一人当たりのデータが数テラバイトになると予想される。順次、長崎大学の原爆後遺障害研究所にて解析を行っている。
長崎大学にて遺伝子の解析中であるが、解析は遺伝子のメチレーションの異常が見られた場合、その家族全員や家族以外の同じ裂型を持つ患者に対して解析するので支出の予定がある。また、特異的遺伝子多型が見られた場合それについても支出する予定である。
すべて 2022
すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)