研究課題
口腔における発がんの素地の形成・病態に関与するオーラルマイクロバイオームの探索・同定を試みている。口腔内細菌と口腔がんの発症との関わりが捉えにくい理由として、喫煙や飲酒の発がんへの影響が非常に強いため、口腔内細菌の影響が見えにくくなっていることが一因と推測される。本研究においては、口腔内細菌と喫煙や飲酒による影響を排除するため、対象患者を非喫煙かつ非飲酒の者に絞って解析・検討を行う。口腔がん患者ではがん同側の非がん歯肉の歯周ポケットから、健常者は臼歯部の歯周ポケットから口腔内細菌を採取することにした。研究申請者らを対象にして、口腔内細菌の採取、同定を試みている。ワッテなどで唾液を遮断し、綿球にて採取部位周辺のプラークを取り除き、滅菌済みのペーパーポイントを歯周ポケットに挿入し、歯周ポケット内の細菌の採取を試みた。しかしながら、ペーパーポイントを用いた採取法は、唾液の影響を受けない反面、十分な細菌量を採取できないことが多いため、解析に要する十分なrRNAを抽出することが困難であることがわかった。よって、現在は、採取方法を変更(安静時唾液の採取)し、解析に十分な細菌数、そして、かつ安定した細菌叢が得られるように試行錯誤を行っている。今後は、採取した細菌からrRNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いて口腔内細菌約400種類 [歯周炎と強い関連があるRed ComplexやRed Complex以外の歯周病やう蝕に関連する菌種や全身疾患との関連が報告されている菌種の割合の測定を行う予定である。
3: やや遅れている
解析に十分な細菌数、そして、かつ安定した細菌叢が得られるように試行錯誤を行っている。
口腔がんの発症・病態に関与するオーラルマイクロバイオームの探索・同定を進める。その後、口腔粘膜における発がんリスクを反映するDNAメチル化異常の探索・同定を行う。
ゲノム解析およびエピゲノム解析が行えていないため次年度使用額が生じた。令和4年度に施行する予定である。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 6件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
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