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2022 年度 実施状況報告書

口腔外科におけるBig Dataを用いた深層学習解析モデルの臨床応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K10115
研究機関大阪大学

研究代表者

平岡 慎一郎  大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70615616)

研究分担者 島田 泰如  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 歯科口腔外科医師 (50751757)
関 壮樹  大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (60755081)
李 天鎬  岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (70792737)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード口腔がん / 口腔粘膜疾患 / 人工知能
研究実績の概要

口腔外科の診療領域において、口腔粘膜疾患は診療頻度の高いものであるが、一般的に多い口内炎や、生命予後に関わる口腔がん等様々なものがあるが、実臨床では、診断に苦慮することが多く、専門外の医療者による見落としも多く経験する。口腔がんは、初期であれば治癒率は低くなく、治療による機能障害もほとんど生じない。そのことから、口腔がんによる生命予後の向上や、治療によるQOLの低下を防ぐためには、早期発見のための簡便なシステムを開発することが極め て有用である。そこで、我々は口腔粘膜疾患の写真を利用し、それを人工知能(AI)に含まれる深層学習(Deep Learning)技術を用いた口腔粘膜疾患診断支援 システムの開発に着手し、平均約90%以上の精度が得られた。一方で厚生労働省より、AI医療機器の最終使用責任は医師にあるとの見解が出されたことと、昨今の、COVID-19のパンデミックにより、オンライン診療導入の機運が高まっており、今後は、モニタ上での診療スキルが必須となることが推察されるが、現在までにそのスキルに関連する研究がなされていないことから、PCモニタ上での最適な検診方法確立を目的とした視線座標データを用いた解析に着手し、口腔外科熟練医の診断時の視線を機械学習アルゴリズムにて可視化することに成功した。口腔粘膜疾患発症に栄養および代謝関連因子が関与するかの解析をすすめている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

口腔粘膜疾患の診断に寄与するデータは解析もすすんでいるが、追加した電子カルテデータからの栄養および代謝に関連するデータの解析が完了していないため。

今後の研究の推進方策

現在までに得られたデータを、現在開発に用いている機械学習アルゴリズムに加えて、既存の統計学的手法も加えた形で開発をすすめる。

次年度使用額が生じた理由

導入予定のGPUが、半導体不足で必要時に入荷できなかったこと。Covid-19の影響で出張がキャンセルとなったため。今年度追加検証のための機材購入と、研究発表費用に充てる予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Analysis of Feeding Behavior Characteristics in the Cu/Zn Superoxide Dismutase 1 (SOD1) SOD1G93A Mice Model for Amyotrophic Lateral Sclerosis (ALS)2023

    • 著者名/発表者名
      Kitaoka Yoshihiro、Seki Soju、Kawata Sou、Nishiura Akira、Kawamura Kohei、Hiraoka Shin-ichiro、Kogo Mikihiko、Tanaka Susumu
    • 雑誌名

      Nutrients

      巻: 15 ページ: 1651~1651

    • DOI

      10.3390/nu15071651

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 歯科衛生士が気づくべき口腔がんや口腔粘膜疾患について2023

    • 著者名/発表者名
      平岡 慎一郎
    • 雑誌名

      大阪府歯科衛生士会学術誌

      巻: 32 ページ: 8-10

  • [雑誌論文] Prediction of cervical lymph node metastasis from immunostained specimens of tongue cancer using a multilayer perceptron neural network2022

    • 著者名/発表者名
      Kawamura Kohei、Lee Chonho、Yoshikawa Takashi、Hani Al‐Shareef、Usami Yu、Toyosawa Satoru、Tanaka Susumu、Hiraoka Shin‐Ichiro
    • 雑誌名

      Cancer Medicine

      巻: 12 ページ: 5312~5322

    • DOI

      10.1002/cam4.5343

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 「口腔腫瘍の診断におけるAIの活用」口腔粘膜疾患診断支援 AI の産学協同研究開発2023

    • 著者名/発表者名
      平岡慎一郎
    • 学会等名
      第41回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 視線データ解析による新規口腔がん診断アルゴリズムの研究2022

    • 著者名/発表者名
      内田修爾,平岡慎一郎, 川村晃平, 阪本勝也, 田中晋
    • 学会等名
      第46回日本頭頚部癌学会
  • [学会発表] Endocytoscopyを用いた口腔癌・口腔潜在的悪性疾患診断AIの研究開発2022

    • 著者名/発表者名
      穐山凌,平岡 慎一郎, 川村 晃平, 大家 香織, 内田 修爾, 阪本 勝也, 田中 晋
    • 学会等名
      第67回日本口腔外科学会総会・学術大会
  • [学会発表] 口腔がん患者におけるBIA法による体組成評価と、頭頸部筋定量AIの臨床的意義2022

    • 著者名/発表者名
      平岡慎一郎,阪本勝也、川村晃平
    • 学会等名
      第37回日本臨床栄養代謝学会学術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] A novel method for predicting oral cancer prognosis using a semantic segmentation model of masseter muscle2022

    • 著者名/発表者名
      Katsuya Sakamoto,Shin-ichiro Hiraoka、Kohei Kawamura、 Shuji Uchida、Ryo Akiyama、Susumu Tanaka
    • 学会等名
      第60回日本癌治療学会学術集会
  • [学会発表] 歯科衛生士が気づくべき 口腔がんや口腔粘膜疾患について2022

    • 著者名/発表者名
      平岡慎一郎
    • 学会等名
      大阪府歯科衛生士会 学術講演会
    • 招待講演
  • [図書] 学びはじめ歯科医療AIの世界 ディープラーニングがひらくデジタルデンティストリーの近未来 「補綴臨床 digital and international」 (藤田広2023

    • 著者名/発表者名
      平岡慎一郎 (分担)
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      医歯薬出版
  • [図書] 日本臨床栄養代謝学会 JSPENコンセンサスブック①2022

    • 著者名/発表者名
      平岡慎一郎(分担)日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)
    • 総ページ数
      1
    • 出版者
      医学書院
    • ISBN
      978-4-260-04647-3

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公開日: 2023-12-25  

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