細胞形態の観察からwtSLPI細胞に対してΔSLPI細胞は細胞突起の伸長が少なく,円形の形態をしていた.wound healing assayによる比較では,ΔSLPIで遊走能の低下が観察された.また,コラーゲンゲルを用いた三次元培養ではwtSLPI細胞において認められた浸潤能がΔSLPIでは低下していることが確認された. 一方で,ΔSLPI細胞とその起源となるwtSLPI細胞(Ca9-22)細胞のSTR解析を行なったところ,両者のSTR表現型の一致率は30%程度であった.ΔSLPI細胞は相同組換えにより作製しており,このことが結果に影響したと考えている.
|