研究課題
口腔がんには扁平上皮癌や唾液腺腫瘍などがあり、その病理組織像は多彩である。また、一つの腫瘍型の中にも多様な組織成分が混在するので、病理組織学的診断は難しいことがある。このような多彩な病理組織像を示す疾患の診断においては組織像以外のアプローチが必要であり、がんゲノムの解析が重要であると考えられている。現在、顎顔面領域の様々な腫瘍の患者サンプルからDNAならびにRNAを抽出し、遺伝情報の解析を行っている。歯原性腫瘍ではエナメル上皮腫のBRAF変異を中心に患者サンプルを用いて解析を進めており、約80%の症例でBRAF V600Eの変異を確認できた。また、唾液腺腫瘍では、粘表皮癌や乳腺相似分泌癌症例に関して解析を進めている。
2: おおむね順調に進展している
患者サンプルを用いたDNAの抽出方法を確立し、解析の症例数を順調に増やしている。
解析する歯原性腫瘍や唾液腺腫瘍の種類ならびに症例数を増やし、網羅的な解析が可能となるよう進めていく。
新型コロナウイルス感染症の影響で、ラボが使用できない期間が一定期間あったため。繰り越した経費は消耗品の購入に使用する。
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日本口腔検査学会雑誌
巻: 13 ページ: 3-13
巻: 13 ページ: 65-68