研究課題/領域番号 |
20K10126
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
篠塚 啓二 日本大学, 歯学部, 講師 (30431745)
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研究分担者 |
外木 守雄 日本大学, 歯学部, 教授 (50217519)
津田 啓方 日本大学, 歯学部, 准教授 (60325470)
市ノ川 義美 帝京大学, 医学部, 准教授 (20203101) [辞退]
花上 伸明 帝京大学, 医学部, 准教授 (40385232)
小原 研心 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70598507)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 口腔癌 / エクソソーム / microRNA / バイオインフォマティクス / パスウェイ解析 |
研究実績の概要 |
本研究では,新たな診断・治療法を開発するため,口腔扁平上皮癌細胞株におけるエクソソームを介して細胞外に放出されるmiRNAに着目し,口腔癌において活性化している分子ネットワークを明らかにすることを目的とした。口腔扁平上皮癌細胞株とヒト正常口腔粘膜細胞(HNOKs)の培養上清液中に含まれるエクソソーム由来miRNAを抽出し,miRNAマイクロアレイを用いて,発現状態を網羅的に解析した。腫瘍マーカーの候補となるmiRNAを選定し,さらにパスウェイ解析を行い,miRNAを起点とした機能性RNAネットワークの探索を行った。 その結果,以下の結果と結論を得た。 1. miRNAマイクロアレイ解析の結果,HNOKsと比較して,口腔扁平上皮癌細胞株4種類すべてについて,著明な発現変動を示し,口腔癌に関与していることが示唆される合計20種類のmiRNAを同定した。 2. さらに同定したmiRNA 20種類とその標的遺伝子についてパスウェイ解析を行ったところ,6つのネットワーク形成が確認された。その中で最もスコアが高く,同定した標的遺伝子を有意に含むネットワークは,miR-125bを中心としたパスウェイであった。 3. また同定したmiRNA 20種類とその標的遺伝子は,molecular mechanisms of cancerやcell cycle,cell death and survivalなど癌に関連する機能に強く関連を認めた。 4. 遺伝子群を調節する発現変動分子の上流調整因子には4つのupstream miRNAs(miR-125b-5p, miR-17-5p, miR-200b-3p, miR-23a-3p)が関与しており,これらは癌の発生・進行,上皮間葉転換に影響を与える分子であることが明らかとなった。
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