本研究は成体マウスから唾液腺幹細胞を樹立し、これを幹細胞のソースとして器官再生や幹細胞移入を行い、生体での唾液腺再生法の構築と臨床応用を目指している。 分離細胞A(8週齢のC57BL/6Jマウスから顎下腺を摘出して細切し、低Ca無血清培地で培養し、分離た)と分離細胞B(成体マウスの顎下腺をコラゲナーゼ typeIIとヒアルロニダーゼで処理をし、MatrigelTMをコートしたプレート上で培養し、オルガノイドの周囲に発生した細胞を分離した)を用いて3次元培養を行い、唾液腺の組織構築と機能獲得について実験を行った。 分離細胞AとBをそれぞれ105個の細胞を3種類の細胞外基質(フィブロネクチン、ラミニン、IV型コラーゲン)を含んだゲルに埋入して培養し、HGF刺激を行って形態的変化を観察した。分離細胞AはIV型コラーゲンで培養し、HGF刺激を加えることで細胞配列が導管様に変化した。また、分離細胞BはHGF刺激を行うと細胞間距離がやや開いたが、導管様の配列は認めなかった。細胞外基質間の差はなかった。 これらは2次元的な実験結果と概ね一致する結果であった。
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