研究課題/領域番号 |
20K10136
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山西 整 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (20397780)
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研究分担者 |
近藤 敬秀 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (90870444)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 嚥下活動 / 縫線核 / セロトニン受容体 / NK1受容体 |
研究実績の概要 |
本研究は前回までの研究「嚥下中枢に対する5-HTとサブスタンスPによる2相性制御機構の解明」(基盤研究C 2017-2020)を発展させた位置づけの研究である。これまで嚥下中枢を含み、嚥下活動を誘発し得る最小の延髄スライス標本の作成に成功し、この標本を用いることによって、嚥下活動におけるセロトニン受容体の作用の詳細を明らかとした。セロトニンを産生し呼吸活動を制御する不確縫線核ニューロンは、NK-1受容体アゴニストであるサブスタンスP(SP)を共産生する。これまでの研究によって、延髄尾側の最後野(area postrema)のレベルにおける不確縫線核が嚥下活動を形成、発現するための神経ネットワークに対しても修飾を行っていることが明らかとなった。今回の研究で不確縫線核の役割とSPが嚥下活動に及ぼす影響を詳細に検討する。 今年度は、新生仔ラット延髄スライス標本における延髄尾側の不確縫線核ニューロンの活性をコントロールすることによる、嚥下活動に対する影響を解析した。不確縫線核領域にカリウム濃度を低く調整した脳脊髄灌流液(K:3mM)を微量注入することによって、実験的に誘発された嚥下活動の発現頻度と最大振幅が低下した。この効果は5HTA1受容体拮抗薬の投与によって抑制された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の実施期間中には、研究室外の施設勤務を含む研究チームメンバーが研究室へ集まることができなかった。このために、チームとしての研究時間が大幅に減少し研究の遅れの直接的な原因となっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は不確縫線核ニューロンの活性を抑制したことによる嚥下活動に対する影響が、NK1受容体の拮抗薬によってどう変化するかを確認する。さらに同ニューロンの活性化した場合の嚥下活動に対する影響についても同様の検討を行う。引き続き研究チームとしての研究時間の確保が大きな課題となっている。使用期間に制限がある実験消耗品の購入時期を慎重に検討しながら研究を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染の拡大によって、予定していた学会発表を取りやめたため、旅費を使用しなかった。今後この旅費分は実験消耗品の購入へ当てる予定である。
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