研究課題
BALB/C系nu/nuヌードマウスの大腿骨骨髄腔内に口腔癌細胞HSC-2を移植し,口腔癌骨浸潤動物モデルを確立した.各種口腔癌細胞株を移植し,浸潤面積をImageJで計測し,骨浸潤を評価した.shRNAを用いて口腔癌細胞のANG発現を抑制し,骨浸潤の抑制効果を調べた.対照群では骨髄内に腫瘍増殖を認め,TRAP染色で腫瘍周囲の骨面に沿って多数の破骨細胞形成と骨吸収窩の形成が認められた.一方shRNA群では腫瘍増殖が抑制され、TRAP染色で破骨細胞形成も抑制されていた.ANGが破骨細胞形成に与える影響の解析を行った.マウス大腿骨から骨髄細胞を回収し,Macrophage colony-stimulating factor(M-CSF)とANGを添加し培養後,TRAP染色 を行い,破骨細胞数を計測した.ANGにより破骨細胞形成が促進されることを確認した.野生型およびANG KOマウスから、それぞれ採取した頭蓋骨由来骨芽細胞と脾臓由来破骨細胞前駆細胞の共存培養を行った.破骨細胞前駆細胞におけるANG遺伝子の欠損は,破骨細胞形成を阻害した.破骨細胞の骨吸収能はPit formation assayで評価した.ANG遺伝子の阻害は,破骨細胞の骨吸収能を阻害した.ANGが口腔癌細胞に与える影響の解析を行った.口腔癌細胞のANGおよびPlexinB2発現はELISA法とWestern blot法で調べた.口腔癌細胞をANG 存在下と非存在下で培養し増殖能と浸潤能の解析を行った.口腔癌細胞のANGおよびPlexinB2を発現しており、ANGは口腔癌細胞の増殖能と浸潤能を促進することが明らかとなった.
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British journal of cancer
巻: 127 ページ: 422-435
10.1038/s41416-022-01814-6