研究課題
1. 口腔扁平上皮癌細胞株であるOM-1細胞を用いて、CD44high細胞のcell sortingを行った。ラミニン332でコーティングした2.0kPaの弾性率のシリコンゲル上で、CD44highOM-1細胞の培養を行った結果、アメーバ様形態を示す細胞(amoeboid-like CD44high細胞)が確認された。amoeboid-like CD44high細胞は、Cofilin-1タンパク質の高発現を示し、Cofilin-1がamoeboid-like CD44high細胞の浸潤能に関与していることが明らかとなった。2.TGF-β1により、amoeboid-like CD44high細胞におけるN-cadherinやSnailのmRNA発現が上昇し、細胞形態が線維芽細胞様に変化した。また、TGF-β1により抑制されたmiR-422aの発現は、ERK inhibitor またはERK1/2 knockdownにより有意に上昇した。さらに、miR-422a inhibitorは、N-cadherin や Snailの mRNA発現を上昇させた。3.amoeboid-like CD44high細胞は、Cofilin-1ノックダウンおよびERK1/2によるmiR-422a発現の抑制により、amoeboid-to-mesenchymal transition(AMT)を生じた。以上の結果から、amoeboid-like CD44high細胞では、Cofilin-1のリン酸化とERK1/2の活性化によるmiR-422aの発現抑制が、AMTの促進に関与すると考えられた。4. amoeboid-like CD44high細胞において、miR-224-5pはPANX1の発現を抑制することにより、アポトーシス抵抗性に関与することが明らかとなった。
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Journal of Oral Pathology & Medicine
巻: 51 ページ: 281-289
10.1111/jop.13242.