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2021 年度 実施状況報告書

独自の動物実験モデルを用いたエナメル上皮腫の治療標的因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 20K10145
研究機関鹿児島大学

研究代表者

渕上 貴央  鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40772439)

研究分担者 鈴木 甫  鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (10623340)
吉村 卓也  鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (30726758)
岸田 想子  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (40274089)
岸田 昭世  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50274064)
岐部 俊郎  鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50635480)
中村 典史  鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (60217875)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードエナメル上皮腫 / 歯原性腫瘍 / 三次元培養 / 動物実験モデル
研究実績の概要

エナメル上皮腫は代表的な歯原性良性腫瘍であり、良性であるものの周囲組織への高い浸潤能を有することが大きな特徴である。本腫瘍は異なる浸潤発育様式を示すいくつかの組織型に分類されるが、その多様性をもたらす要因については未解明である。本研究では、エナメル上皮腫の浸潤発育の多様性に関わる因子について、独自に構築した三次元培養実験系と動物実験系を用いて解明し、同因子を標的とした分子標的療法などの新規治療法の実現の一助となる知見を得ることを目的とする。 昨年度は、各種遺伝子導入法による各エナメル上皮腫細胞株での標的因子のノックダウンや高発現を試みたが、効果的な遺伝子導入が不可能であった。そのため、遺伝子発現をコントロールした上での通常培養法や三次元培養法による標的因子の浸潤能や増殖能における影響についての評価が不可能であった。そこで本年度は、昨年度に引き続き候補因子の蛋白や中和抗体を用いてエナメル上皮腫細胞株の細胞浸潤能、増殖能、Matrix Metalloproteinase(MMP)といった骨吸収や腫瘍の浸潤に深く関わる消化酵素の発現変化について調べた。その結果、 候補因子の中でもIL-1alphaが各種エナメル上皮腫細胞株の浸潤能や増殖能およびMMP-2,MMP-9等の消化酵素の発現に関わっている可能性が高いことが分かった。そこで、我々の構築した独自の三次元培養評価方法にて、IL-1alphaによる刺激や抗体による中和を行った状態でエナメル上皮腫細胞の三次元的な動きを評価したところ、同因子は腫瘍細胞の集団的な浸潤形態の変化に影響を与えていることが判明した。また、上記の実験を進める過程で、本腫瘍の浸潤発育における腫瘍周囲の骨芽細胞の影響についても評価を行い、その結果骨芽細胞がエナメル上皮腫細胞の浸潤能や増殖能に影響を与えるという治験を得たため、英文雑誌に投稿し採択を受けた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度は、エレクトロポレーション法等によるエナメル上皮腫細胞株への候補因子の遺伝子導入を計画していた。しかし、いずれの遺伝子導入法でもエナメル上皮腫細胞株への遺伝子導入効率および導入後の細胞の安定性が悪く、問題解決に時間を要していた。本年度は、候補因子の蛋白による直接的な細胞刺激や、中和抗体による反応による細胞動態の変化を調査し、次段階に進む手がかりを得ることができた。

今後の研究の推進方策

本研究では、独自に構築した三次元培養法と動物実験モデルの療法を用いて目的を達成する予定である。今後は、独自の三次元培養環境下での候補因子の腫瘍細胞に対する影響を評価していく(腫瘍細胞の細胞浸潤形態浸潤能、増殖能、Matrix Metalloproteinase(MMP)といった骨吸収や腫瘍の浸潤に深く関わる消化酵素の発現変化など)。三次元培養で得た結果は、最終的に動物実験でも検証する予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度はコロナウイルスによる影響もあり、学会出張等の対外的活動が大きく制限された。そのため、大きく残高が生じることとなった。生じた次年度使用額は実験試薬等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Intercellular signaling between ameloblastoma and osteoblasts2022

    • 著者名/発表者名
      Chairani Elissa、Fuchigami Takao、Koyama Hirofumi、Ono Yusuke、Iijima Mikio、Kishida Michiko、Kibe Toshiro、Nakamura Norifumi、Kishida Shosei
    • 雑誌名

      Biochemistry and Biophysics Reports

      巻: 30 ページ: 101233~101233

    • DOI

      10.1016/j.bbrep.2022.101233

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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