研究課題/領域番号 |
20K10146
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
丹下 正一朗 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40571211)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 口腔がん / 予後予測因子 |
研究実績の概要 |
ポリコーム複合体2(PRC2)と呼ばれる蛋白質複合体は、主に細胞核内で遺伝子の転写抑制に貢献する。この中でも酵素活性を持つEZH2は、いくつかの腫瘍において高発現を示しており、腫瘍の悪性化に寄与していることが明らかになっている。その一方で、PRC2を構成する蛋白質のうちEZH2以外の蛋白質については腫瘍においてEZH2の機能を補助する存在として以外の機能を検証している報告が殆ど存在しない。本研究では、一部PRC2構成蛋白質の高発現を認めた口腔がん細胞株を用いて、PRC2のうち非酵素蛋白質が独自に腫瘍の悪性化を促進している可能性について検証していく。 現在までに、酵素サブユニットであるEZH2およびそのPRC2構成蛋白質をコードする遺伝子群を個別にノックダウンした口腔がん細胞株の樹立を行っており、これらのトランスクリプトーム解析を行った結果から、口腔がんにおけるPRC2標的遺伝子群の絞り込みを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の感染拡大の影響により、予定していた試薬の納品などに遅れが生じた。これにより、研究内容の一部見直しなどを余儀なくされたため。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに行ったトランスクリプトーム解析を行った結果から、口腔がんにおけるPRC2標的遺伝子群の絞り込みを行っており、この過程で腫瘍関連遺伝子の転写レベルの著名な変化も確認されている。 今後は、上記の結果を検証するためのクロマチン免疫沈降法(ChIP)アッセイや細胞の増殖能、運動能、浸潤能等の細胞生物学的、分子生物学的な側面から検討を行った上で論文としての報告を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行による工場の稼働率の低下があり、一部試薬や消耗品の令和4年度内の納品が困難となったため。
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