研究実績の概要 |
今年度は,対象症例を増し,口腔潜在的悪性疾患である口腔扁平苔癬18例,白板症(扁平上皮過形成10例,上皮性異形成10例),扁平上皮癌症例について,m6A, m6Aは書き込み因子のメチルトランスフェラーゼ複合体のMETTL3 (methyltransferase-like 3)、METTL14(methyltransferase-like 14)について,パラフィン切片上で免疫染色を行った。 口腔扁平苔癬症例で,m6A, METTL3, METTL14は,白板症や扁平上皮癌症例よりも低発現であった。次にパラフィン切片よりtotal RNAを抽出し、cDNAへ変換し、m6Aは書き込み因子のメチルトランスフェラーゼ複合体のMETTL3 、METTL14、消去因子のFTO (fat mass and obesity protein)やALKBH5 (alkB homolog 5)について、real-time PCR法により発現を定量した。METTL3とMETTL14で扁平上皮癌症例が白板症、口腔扁平苔癬で発現が有意に上昇していた。他の因子については、発現の有意差は見られなかった。 METTL3とMETTL14の免疫染色では、扁平上皮癌では核内では、細胞質への発現が見られ、書き込み因子METTL3が有意に発現をしていた。扁平上皮癌では、METTL3とMETTL14の変化が重要であるのかもしれない。
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