研究実績の概要 |
Cytometric bead array(CBA法)はフローサイトメトリーを用いた解析法で、体液中のサイトカインを高感度かつ安定して測定できる方法として注目されてきている。我々は、予備的検討唾液中のサイトカインがCBA法により解析可能かを検討した。 北海道大学病院口腔内科、口腔インプラント科を受診したインプラント埋入後患者、口腔カンジダ症の患者から採取した唾液を用いて予備的検討としての唾液中のサイトカイン量を測定した(本学自主臨床研究委員会にて研究計画を申請済み)。実際の測定にあたっては、200μlの唾液と1ml血液から同時に7種類の分子を検索できるBD社製のCBA kitを使用し, IFN-γ, TNF-α, IL-4, 5, 6, 10, 17Aを計測した。濃度既知のstandard希釈液から算出したstandard curveをもとにサンプルの蛍光強度をフローサイトメーターFACS Aria-2を用いて計測後、FCAP Array softwareにてサイトカインの濃度を比較・解析した結果、以下のことがわかった。①唾液中のサイトカイン濃度は血液に比べ高い傾向であった、②血液では検出感度以下のサンプルも多く観察された、③CBA法はごく小量のサンプルで複数のサイトカインを同時かつ短時間に測定することが可能である。上記の予備的検討を踏まえて、インプラント埋入患者の唾液を用いたCBA解析を進めている。
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