研究課題/領域番号 |
20K10169
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
松田 幸子 昭和大学, 歯学部, 講師 (50266178)
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研究分担者 |
田口 亮 東京都市大学, 情報工学部, 教授 (40216825)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | オーラルフレイル / エックス線画像診断 / 舌骨 / 舌背 |
研究実績の概要 |
研究実施計画に基づき、作業1:エックス線写真上のオーラルフレイル診断ポイントの抽出、作業2:オーラルフレイル画像診断支援ソフトウエアの開発を行った。 作業1:摂食嚥下造影(VF)検査を行った70名と健常者群190名のパノラマX線画像の比較検討を行った。パノラマX線写真上の検討部位は舌骨の上下および前後的位置と舌背から口蓋までの位置についてである。VF検査で嚥下障害有りと判断された群は、健常者と比較してパノラマエックス線画像上の舌骨の上下的位置が有意に低い結果が得られた。前後的位置には有意な差は認めなかった。舌背から口蓋までの距離は、VF検査で嚥下障害ありのものと健常者、VF検査では嚥下障害なしの群と健常者との間に有意な差を認めた。舌の幅径の違いや、舌圧と舌骨の位置の関連性について比較評価をおこなったが、これらについては有意な関連性は認められなかった。この結果は学会発表:第365回昭和大学学士会例会 演題名:パノラマエックス線画像を使った嚥下障害のスクリーニング方法の検討 伊藤絵美 他3名)で発表した。論文は、学術論文雑誌:THE SHOWA UNIVERSITY JOURNAL OF MEDICAL SCIENCES雑誌A novel dysphagia screening method using panoramic radiographyというタイトルで掲載が決定している。 作業2:東京都市大学の田口亮氏とともにプログラム開発検討を行った。パノラマエックス線写真上の舌骨の位置および正中における舌背から口蓋までの距離を自動で分析する方法を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共同研究者である東京都市大学との連携も良好であり、舌背については分析可能なレベルまで到達しており、予定通りであると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
作業1:オーラルフレイル診断ポイントの検討。嚥下障害の指標となるような、ほかの評価計測部位がないかの検討。2次元的及び3次元的な検討。 作業2:オーラルフレイル画像診断支援システムの構築。昨年度作成された舌背から口蓋までの自動評価計測システムの評価。舌骨の位置の自動分析プログラムの開発、作業1で新たに検討された評価計測部位を自動評価するソフトの開発 作業3:AIを用いたオーラルフレイル画像診断支援ソフトウェアの開発 1.画像情報の解析:上記令和2年3年で得られた画像と臨床所見をもとに、何を診断ポイントとして用いるのが有用かを分析する (担当者:松田・研究協力者:伊藤絵美) 2.AIによる自動画像解析プログラムの開発:上記結果から、オーラルフレイルの早期診断に有用な診断ポイントを自動で抽出および距離や角度を分析するプログラムを開発する
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次年度使用額が生じた理由 |
直接経費使用内訳変更:令和3年3月25日、未使用額:233,287円 理由:コロナによる外出制限のため、予定していた学会に出かけることができなくなったため。 使用計画:頭蓋部の画像分析に当たり、2次元的な分析だけでは限界があり、3次元的な分析が必要となった。 それを行えるような画像の3D分析ソフトを購入を行う予定である。
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