作業1:嚥下障害のパノラマエックス線写真の評価のカットオフポイントの設定のための分析を行った。舌骨が下顎下縁の仮想線より下の場合に嚥下障害が有意に多い結果となり、これをカットオフの基準として設定することとした。 この結果を論文に発表した。 作業2:上記で決定されたカットオフポイントをもとに、舌骨の位置の評価システム(東京都市大学)、AI分析プログラムの作成(北見工業大学)を作成し、検討を行った。舌骨の位置の抽出方法については、下顎下縁の下の領域に注目した学習方法により、比較的検出の精度を上げることができた。舌骨が見えない症例についての学習については課題が残った。この成果について学会発表を行った。 作業3:診断精度の改善について検討を行った。舌骨が見えないあるいは一部しか見えない症例の診断精度を改善するために、関心領域の設定を拡大した。群分けの数、舌骨が見えていない症例は学習に含めないで学習させた場合など、学習法を検討したところ、グループ数を減らすこと、不完全にしか見えていない舌骨は学習させないことで、従来の方法よりも診断精度(AUC値)を0.83から0.97へと改善することができた。 この結果は、第2回旭川医科大学・北見工業大学 医工連携ワークショップにおいて、「歯科パノラマX線画像に観察される舌骨の位置から嚥下障害リスクを予測する学習モデルの開発」というタイトルで早川らが発表した。 この成果は、論文発表した。
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