研究課題/領域番号 |
20K10186
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
村田 勝 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (00260662)
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研究分担者 |
根津 尚史 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (40264056)
斎藤 隆史 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40265070)
建部 廣明 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40638293)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 強酸性電解水 / 骨形成 / 超音波 / 骨誘導 |
研究実績の概要 |
<材料と方法> 電解水装置(3室ダブルイン,レドックステクノロジー)システムで分取した強酸性電解水(pH 2.7)を使用した.超音波スケーラー装置(ピエゾンマスター700,EMS)に強酸性電解水(pH 2.7)あるいは生理食塩水をセットした. I.動物実験 Wistar 系ラット(40-50週齢,メス) 頭頂骨外板に①超音波/生理食塩水処理 ②超音波/酸性電解水処理 ③骨膜剥離後そのまま復位 を施行した.なお,超音波照射条件は120W, 38 kHz, 1 minとした.術後7,14,28日目に周囲軟組織とともに切除して脱灰標本を作製して組織観察した(HE染色).その結果,①超音波/生理食塩水処理群 ②超音波/酸性電解水処理群は2週後に新生骨形成を認めた.一方,③骨膜剥離後そのまま復位群は4週後までに骨形成がみられなかった.
Ⅱ.走査型電子顕微鏡(SEM)による微細構造観察とEDS(エネルギー分散型X線分光器)分析:Wistar 系ラット(40-50週齢,メス) 頭頂骨を骨膜剥離後切除(5x5x1mm)して,①超音波/生理食塩水処理骨 ②超音波/酸性電解水処理骨 ③新鮮骨を用意した.なお,超音波照射条件は120W, 38 kHz, 20 minでバス内に強酸性電解水(pH 2.7)あるいは生理食塩水を1.0mL入れた.その結果,超音波/酸性電解水処理骨にはナノーマイクロクラックが観察された.EDS分析で超音波/酸性電解水処理骨のCa量(0.09%)は,①(0.86%)と③(0.90%)に比べて約10分の1になり表層脱灰の進行が証明された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナで学会活動が少なく研究時間が確保できた.
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今後の研究の推進方策 |
異所性動物実験とHE染色・II 型コラーゲン免疫染色:Wistar 系ラット頭頂骨を切除して試料骨片(5x5mm2)を調整する.①穿孔骨 (バー φ0.6㎜) ②超音波/生理食塩水処理骨(120W, 38kHz, 20min, 25℃)③強酸性電解水単独処理骨(pH2.7) ④超音波/強酸性電解水処理骨 ⑤未処理骨(新鮮骨) 生物検定:各種骨片を同種Wistar 系ラット(4週齢,雄性)背部皮下組織内に移植する.評価観察方法:移植後7,14,21日目に周囲軟組織とともに摘出する.固定・脱灰方法:20%中性ホルマリン溶液に浸漬後,マイクロウェーブを加えて固定液の組織内浸透性を高める.10% 蟻酸溶液で7日間脱灰後,連続切片(4μm)を作製する.切片はHE染色・II 型コラーゲン染色で骨・軟骨誘導を観察し,組織形態計測で移植骨と誘導組織の割合を経時的に計測する.
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